「くちクサっ!」と思われてるかも…厳しい残暑で“お口トラブル”から体調不良の危険性がアップする理由

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質のいい唾液をしっかり出すために

では、「質のいい唾液をしっかり出す」ためにはどうしたらいいのでしょうか? 照山先生に、唾液を増やすケア、IgAがしっかりと含まれる「質のいい唾液」を作る方法を教えていただきました。

●よく噛む

「よく噛むことで唾液の分泌が増えます。一口30回を目標にするといいですよ」と照山先生。でも、一口30回ってけっこう大変……。

「噛む回数が自然と増えるよう調理を工夫してみてください。例えばサラダにカリカリのゴボウチップスを混ぜたり、麺類にネギやミョウがなどの薬味を加えたり、食感の異なる食材を組み合わせるだけでも噛み応えが出て、自然とよく噛むようになりますよ」


●「ブクブクうがい」をする

水を少し口に含み、ほほを膨らませずながら、強く速く口の中の水をかき回す「ブクブクうがい」も唾液を増やすそう。

「舌や口の周りの筋肉を鍛えることができるので、口腔機能の向上につながります。水圧で口の中の汚れを落とすことができるので食後の習慣にしましょう」

うれしいことに、ブクブクうがいは、ほうれい線が薄くなるなどの美容効果も期待できるそう!


●ストレスをリリースする

「リラックス状態で、副交感神経が優位にあると唾液の分泌が増え、サラサラした唾液が出ます。逆に、ストレスや緊張状態にあって、交感神経が優位になると唾液の分泌が減ってしまいます」

ストレスをゼロにすることは難しいけれど、イライラやムカムカといった気持ちはなるべく早く手放すようにしたいですね。


●腸内環境を整える食事を心がける

「体の中の最大の免疫器官は腸。そのため、腸の状態と免疫物質であるIgAは深くかかわりがあります。腸内環境が整っていると、腸で産生される免疫物質の質が向上し、それがめぐりめぐって口内のIgAの質が向上されると考えられているのです」

つまり、食物繊維やヨーグルト・乳酸菌など腸内環境を整える食品を意識的に取り入れると、腸内環境が改善。全身状態のバランスが整い、その結果として、唾液の量と質の改善に役立つのだそう。


実際に、特定の乳酸菌を使用したヨーグルトを摂取すると、唾液量と唾液中のIgAが増加したという研究(※2)があります。 また、ヨーグルトには夏場の疲労感の軽減につながるという報告(※3)も。


厳しい残暑を乗り切るためにも、ほどなく訪れる感染症ハイシーズンに備えるためにも、「唾液力」を高めていきたいですね。

【照山裕子先生】歯科医。日本大学歯学部卒業、同大学院歯学研究科にて博士号取得。世界でも専門家が少ない「顎顔面補綴」が専門。予防医学の重要性を提唱する中で「毒出しうがい」を考案。著書は『食事でムセる かみ切れない 口臭が気になる人のための口の強化書』(アスコム)など。

※1 NevilleV,etal.MedSciSportsExerc.2008;40:1228-36

※2 Yamamoto Y et al.(2019), Effect of ingesting yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1 on influenza virus-bound salivary IgA in elderly residents of nursing homes: a randomized controlled trial, Acta Odontol. Scand., 77(7):517-524.

※3 Nutrients 2018, 10(7), 798; https://doi.org/10.3390/nu10070798

<文/小山武蔵>

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