都内在住20年の夫婦が2歳の娘と“車中泊生活”を始めたワケ「車の購入直前に恐怖心が…」

都内在住20年の夫婦が2歳の娘と“車中泊生活”を始めたワケ「車の購入直前に恐怖心が…」

仕事を手放し、長期の旅に出るためにやったこと


 妻という協力者を得ながら、こみあげさんも着々と準備を進めていったと思いますが、美容師という仕事は現場ありきの働き方です。仕事はどのように整理したのでしょうか。

「妻と話をしてから出発までは、1年くらいかけて準備を行いました。具体的には、訪問美容室を立ち上げたり、ブログやYouTubeチャンネルなどの発信を始めたりしました。旅の最中はノマドビジネスができるよう、なんとか場所と時間に依存しない仕組みを作っていましたね。

とはいえ、美容法は規制も厳しく、訪問美容室は、妊婦さんや育児中のお母さんなど、来店が困難な方へのサービスとしてしか行ってはいけないと法律で決まっています。訪問美容室はやりつつも、メインはYouTubeチャンネルの運営で、過去の中南米の旅の模様や、キャンピングカー生活の準備動画をあげていました」

 こみあげさんのような、自由な選択を夢みる人は少なくありません。その選択を叶える1つの手段がSNS収益かもしれません。こみあげさんも、旅に出る前から着々と準備をしていたとか。非常に順調な滑り出しにも感じますが、実際のお財布事情は、「安定はしていない」といいます。

キャンピングカーを購入する直前に襲ってきた恐怖心


 決断からスタートまで、ここまで話を聞くとすごく順調というか、大きな反対もなく進んだのかなという印象ですが、実際はどうだったのでしょう。

「全然スムーズではなかったです。妻ともその後対話を何度も繰り返しましたし、準備はしていきましたが、計画が進むと同時に大きな恐怖心も出てきました。普通に考えたら生活のすべてを失う行為ですし、YouTubeチャンネルはやっていましたが、当時は収益化もままなっていませんでした。

訪問美容室もやってみましたが、初月の売上は6000円でした。自分の店を出すための貯金こそありましたが、チャレンジによって全部捨てることがとにかく怖くて、最後キャンピングカーを買おうとなったときに、決断できなくなってしまい、最後は、妻が購入を決断してくれたんです。旅に出始めたら不安も減り、マインドが上がりましたが、そこに至るまでは、葛藤や恐怖がつきまといました」

 いざ夢の実現が近づくと、人は怖くなると良く言います。こみあげさんも例外ではなく、最後は大きな恐怖との戦いだったそう。

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