幼い娘と3年間キャンピングカーで車中泊生活した男性「育児面でメリットしかない」と断言する理由

幼い娘と3年間キャンピングカーで車中泊生活した男性「育児面でメリットしかない」と断言する理由

子育てで不安だったことは「おむつ」と「友だちづくり」


 デメリットはないと語るこみがえさんですが、車中泊生活で育児をすることは、一般的な家庭と同じような準備や対応ができないことを意味します。こみあげさん自身は、「おむつ」と「友だちづくり」について不安感を持っていましたが、旅の中でそれを払拭していったといいます。

「当時娘は2歳だったので、おむつを外すタイミングを考えました。一般的にはトイトレ(トイレで排泄を行えるように練習をすること)をして外すと思いますが、車中泊生活中は、良いタイミングで促したりケアしたりすることに難しさがあります。当時は夫婦で葛藤があったのですが、結果としては、途中でトイトレをやめ、自然に委ねたら勝手に外れました。

こうした選択は、旅の中で出会った方に言われたことがキッカケです。『おむつがまだ取れないと悩むのは、我が子の成長を誰かと比べているからだ』と指摘をもらったんです。『健康な大人でおむつが取れていない人はいない。絶対にその子のタイミングで自然に取れるんだから、取れていないことに意識を向ける必要はない』とも言われました。

確かにそうだなと思い、それを期に、妻も一切トイトレをしなくていいってなりました。そしたら、本当に娘のタイミングで勝手に外れましたし、今はおねしょもありません。こうした経験も、旅を通じて学んだことの一つです」

 おむつがいつ外れるかは、筆者も2歳の子どもを育児中なので、まさに悩み始めたばかりです。この話は少し勇気をもらえます。結局は親が子どものタイミングを待てること、が重要なのかもしれません。

人が集まる場所に行ったり、保育園に通うことも


「友だちづくりについては、旅を始めると勝手に払拭されていきました。キャンピングカーで日本を巡っていると、必然的に人が集まるところに行きます。そうすると、娘も自分で輪に入っていくようになっていました。その結果、今はどこでも友だちが作れるような積極的な性格に育っています。もちろんこれは、娘の元の性格もあると思いますが、最終的には、気になっていないというのが答えです。

あと、この生活中は良い場所があれば1ヶ月くらいその土地にステイもしています。その間は、保育園の一時預かりが利用できたりするので、本人が行きたがるようなら、集団生活を楽しんでいたこともあります。

余談ですが、保育園というのは、土地や人、園の方針など、すごくバリエーションがあります。いくつかの園と関わらせていただいて、僕たちも学ばせてもらった側面は大きいです」

子どものタイミングに合わせる。当たり前のことなのに、親として見ていると、つい早く早くと焦りと不安でせっつきたくなる時があります。そういう時ほど、こみあげさんが旅によって得た学びは、参考になるのかもしれません。

<取材・文/おおしまりえ>

【おおしまりえ】
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:@utena0518

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