幼い娘を連れ3年間「車中泊」旅をした男性が語る“子どもの勉強を見るより大切なこと”

幼い娘を連れ3年間「車中泊」旅をした男性が語る“子どもの勉強を見るより大切なこと”

小学生になった娘は「集団生活にも馴染めている」


 車中泊育児に限らず、“特徴的な子育て”を送った場合、子どもが良くも悪くも“個性的”に育つことがあり、その結果、集団生活に馴染めないことがあると聞いたことがあります。

 あくまでもこれは筆者が聞くイメージですが、こみあげさんの場合はどうなのでしょう。

「車中泊子育てをするデメリットを、僕自身は現状感じていません。娘は現在小学1年生ですが、すごく積極的で社交的な子どもに育っています。集団生活に馴染めないといったことはなく、小学校も大好きです。僕らも常々娘には『人の目をそこまで気にせずやりたいことをやってね』と伝えているので、それが効いているかなと思っています」

大切なのは「夫婦が一致した方針で子どもに寄り添うこと」


 また車中泊生活中は、学習面でのケア(ひらがな等の先取り習得)は行わなかったといいます。筆者の周りでは、当たり前のように読み書きを早期に教える家庭も多いです。現在小学生となった娘さんの学習面については、当時どう考えていたのでしょう。また、現在の様子も教えていただきました。

「僕ら夫婦としては、2~5歳の時期に学習することも重要かもしれませんが、草がなんで生えているのかをリアルに知ったり、親と一緒に過ごす経験をより重要視したいと考えました。これは親の考え方次第だと思いますが、私たちの場合は、車中泊生活中に娘の感性を直接刺激する体験をたくさんさせ、教えていくことに重きを置きました。

娘は集団生活に問題なく馴染めていますし、勉強や給食も楽しんでいるようです。とはいえ、これから成長していったらどうなるかはわかりません。どうなったとしても、夫婦でちゃんと話し合い、一致した方針で寄り添っていくことが重要ではないでしょうか。

子どもにどういう学習経験を積んでもらうかより、夫婦の関係をきちっとしていくことが大事かなと僕は考えます。具体的には、ちゃんと会話し、考えていることを一致させる時間を取るということです。車中泊生活中は一緒の時間が長いぶん、この考えの重要性は痛感しましたね」

 車中泊生活について、娘さんも当時を振り返るとポジティブな言葉が多いようで、「また宝島(鹿児島県トカラ列島にうかぶ人口約130人の島)に行きたい」など、思い入れのある土地に思いを馳せることもあるのだとか。

 2~5歳という時期だからこそ実現する生活スタイルですが、3年という長期でなくとも、自然としっかり触れ合い子どもの感性を刺激する生活は、筆者も思わず「いいな~」という言葉が漏れてしまうのでした。

<取材・文/おおしまりえ>

【おおしまりえ】
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:@utena0518

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