ほかの仕事に臨むエネルギーになる作品
――みなさん個々の役柄も愛していますし、3人の関係性も代えがたい大切なものということですよね。
岡田:このふたりがびっくりするようなことを言えるのは、俺しかいないんだろうなと思っていたり、当たり前じゃない言い方ができるのは自分しかいないと思っているから、まっつんへの愛情はすごく強いですね。
嫌われるキャラクターにはしたくないし、愛すべきところはまっつんにも人間としてもってもらいたいと思っていて。そのいろいろなバリエーションが見せられたらなという思いで常にやっています。
佐藤:高史が言ったように『THE3名様』は、20年以上前に森谷さん(プロデュース・監督を務める森谷雄氏)に僕が「この3人で!」とキャスティングも決めた状態でプレゼンをして、それを森谷さんがまとめてくださったことが発端でした。本当に改めて大感謝ですし、当時の自分もほめてあげたいほど。間違っていなかったというか、本当にこのふたりだからここまで続けてこられたと思います。
ただ、この『THE3名様』が僕たちじゃないと成り立たないということではなくて、僕が出るなら、このふたりじゃないと無理だと。これは照れくさいし、カッコつけている感じがあるかもしれないけれど、僕はジャンボになった瞬間、この大好きなふたりに会えるし、大好きなふたりがやっているミッキーとまっつんというキャラクターに会えることがすごくうれしいんです。
なのでジャンボという役柄も作品も、スタッフさん含めて本当に愛しています。この作品と出会えていなければ、全然違う自分になっていたと思う。ほかの現場で不完全燃焼で終わってしまって落ち込んでいても、『THE3名様』に戻ったときには、ホーム感がすごい。かなりエネルギーを満たした状態でまたほかの作品に向かえる。
だから、今後も続けて行けたらいいなと。2年に1回に今のところなっていますが、そのペースでいいからやっていけるとすごく嬉しいし、ほかでのエネルギーにもなるんです。
今や全員パパに。子育てで意識しているのは……
――20年近く経ち、劇中の3人の関係性は変わらないですが、みなさん私生活では父親になられるなど変化がありましたね。たとえば今、子育てで大切にされてることは?
岡田:先輩方からどうぞ(笑)。
佐藤:僕はやっぱりすごくシンプルですが、笑っていたいということが一番大きいです。子どもに対して注意しなきゃいけない状況はもちろん出てくるのですが、そういうことに対しても子どもがスッと落とし込めるように、どんなにしんどいときでもユーモアを忘れずにいきたいということは意識しています。
塚本:僕は、なんだろうなあ。
佐藤:とにかく叱る!?
岡田:かっこいいー(笑)。
佐藤:手を出すこともいとわない!?
塚本:なんでだよ! そんなこと言ってない言ってない(笑)。子どもは息子、娘がいるんですが、僕は彼らの親である前にひとりの人間だと思っているので、対等に向き合うことにしています。もちろん大きくなるにつれて我が出てきたりとかもするのですが、なぜそういうことをしたのか聞いてみると、ちゃんと理由が出てくるんです。だから怒るのではなく、認めてあげることで理由が出てくるというか。そういうことを大切にしながら接していますかね。
佐藤:ちゃんと尊重しながら。
塚本:そうですね。だから親だから父親だから怒るとかじゃなくて、ちゃんと理由だったり、ひとりの人間の「なぜ?」ということを尊重しながら接している。なので、子育てをしているっていう感覚でもないですね。
配信: 女子SPA!