●軽自動車に軽油を入れる間違いは「軽」だから…
誤給油が後を絶たない一因には、セルフ式のガソリンスタンドの増加もあるよう。日本自動車連盟が2008年に発表した「燃料の給油間違いによるトラブル」全国調査の結果によれば、全国での発生件数は337件。うち、セルフ式ガソリンスタンドでの発生件数は246件と、圧倒的に多いのです。有人ガソリンスタンドでは、スタッフが誤りを指摘してくれることでトラブルが回避される事例も多いのでしょう。
もうひとつ、一因として考えられているのが、軽自動車の普及拡大。軽自動車の普及台数は、2015年12月時点で100世帯中54.3台。前年の54.0台から0.3台普及が進んでおり、一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表する「新車・都市別販売台数」最新2017年3月データを見ると、軽自動車の販売台数は、総合計のおよそ3割。
先々の燃費や車検にかかる費用面が気になり、軽自動車を選択した人のなかには、そもそも自動車の知識を持ち合わせていない人も多いからなのか…。「軽自動車=軽だから軽油」と誤って認識してしまう人は多いということ。また、普通乗用車に比べて燃費が良いイメージがあることも、誤認識を後押しする要因に。
●そもそも知っておきたいレギュラー・ハイオク・軽油の違い
ガソリンに関する違いは、教習所でも学ぶ項目。しかし、免許をとったのはずいぶん昔のこと。すっかりその内容を忘れてしまっている人も少なくないでしょう。そこで、あらためてそれぞれの違いをまとめると、以下の通り。
レギュラーガソリン…石油を熱し30~230度の間で発生する蒸気を採取して精製されたもの。
ハイオクガソリン…レギュラーとハイオクの違いは、オクタン価の違い。オクタン価とは、ガソリンの発火のしにくさを表す数値のこと。ハイオクガソリンは、レギュラーガソリンに添加物を混ぜることで発火しにくくし、エンジンの損傷リスクやガソリンの異常燃焼を防ぐように作られている。ハイオクとは、「high-octane」のこと。
軽油…石油を熱し140~380度の間で発生する蒸気から採取精製されたもの。そもそも、ガソリンとは別物。軽油は、おもにディーゼルエンジンの燃料として利用。
ガソリン車に軽油を入れると、ノッキングやエンストが起こり、エンジンがかからなくなるなどのトラブルに見舞われます。あらためて、自分がいつも乗車している車がどんなエンジンが搭載されているのか。一度きちんと調べておきましょう。
(文・混合坂ゆみ/考務店)