心身症の前兆や初期症状について
心身症の初期症状は症状が現れる臓器や部位によって異なるものの、一般的には以下のような症状がみられます。
消化器系の症状
緊張や不安を感じたときに腹痛が起こることがあります。また、ストレスが原因で腸の働きが乱れ、下痢や便秘が繰り返されることもあります。この他、食欲が低下することもあります。
循環器系の症状
ストレスや不安によって自律神経が乱れ、動悸や胸の痛みを感じることがあります。
呼吸器系の症状
精神的なストレスが呼吸に影響を与え、息苦しさを感じることがあります。また、緊張や不安が強まると過呼吸になることもあります。
神経系の症状
ストレスが原因で慢性的な頭痛が続いたりめまいを感じたりすることがあります。さらに、精神的な不安が原因で寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることもあります。
その他の症状
慢性的な疲れや手足の痺れ、痛みなどを感じることがあります。
心身症の検査・診断
心身症の診断では、問診や身体診察、血液検査、画像検査、神経生理学的検査などが行われます。
問診
症状の程度や症状が現れた時期、症状が悪化する因子・軽快する因子などを確認します。また、心理テストとしてストレスの原因や患者さんの生育環境、家庭・職場環境について聴取したり、質問紙を用いて心理的状態を確認する質問に答えてもらったりすることもあります。
身体診察
体温や血圧などのバイタルサイン測定や胸部・腹部の聴診などを行い、血圧や心臓・腸の動きに異常がないかなどを確認します。
血液検査
全身の臓器に異常がないかを調べるため、肝機能や腎機能など様々な項目について確認します。
画像検査
症状を認める部位に異常がないかなどを確認するため、必要に応じてX線検査やCT・
MRI検査などを行います。心身症では胃腸に異常を認めることも多く、腸の運動について評価するために「消化管輸送能検査」などを行うこともあります。
神経生理学的検査
自律神経や脳神経などに異常がないか確認するため、自律神経機能検査や脳波計測、脳血流シンチなどの検査が行われます。
配信: Medical DOC