胃ポリープ

胃ポリープ

胃ポリープの治療

治療方法はポリープの種類によって異なります。基本的に、胃からの出血や食べ物の通過障害がなく、がん化していない場合は経過観察となります。
胃底腺ポリープはがんの発生の頻度は極めてまれなため、基本的に治療は不要といわれています。

過形成性ポリープと診断された場合は、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているかどうか調べます。ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が認められた場合には、除菌する薬を飲みます。ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌後は、約80%の患者さんでポリープが小さくなる、あるいは消えてなくなることが報告されています。
しかし除菌後も、ポリープが大きくなる、がんの発生が疑われる、貧血の原因になる、大きさが2cmを超える場合は、内視鏡治療(ポリペクトミー・EMR)を検討することもあります。

10㎜以上の大きさの過形成性ポリープからがんが発生する頻度は約2%といわれており、過形成性ポリープと診断された場合には年に1度程度は内視鏡検査を受けましょう。

内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)

ポリペクトミーとは、内視鏡を使用して胃の中にあるポリープを切除する方法です。内視鏡の先端から輪の形をしたスネアと呼ばれるワイヤー状の器具をだし、キノコのようにクキのあるポリープにひっかけ締め付けて、電流を流して焼き切ります。
切除したポリープは組織の一部を取り出し、がん化していないか顕微鏡でくわしく検査します。ポリープを切除する際、胃粘膜からの出血や胃の壁に穴が開くリスクがあります。そのため入院治療が必要です。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

EMRもポリペクトミーと同様に、内視鏡を使用して胃の中にあるポリープを切除する方法です。ポリペクトミーと異なる点は、突起のない平坦なポリープを切除する場合におこなう点です。

切除する際に胃の壁に穴が開いてしまうことを防ぐために、ポリープの下の粘膜下層に生理食塩水を注入してポリープを盛り上がらせます。後はポリペクトミーと同様で、盛り上がったポリープの根本にスネアとよばれるワイヤー状の器具をかけて、ポリープを締め付け電気を流し切除します。切除後は出血や胃の壁に穴が開いていないか観察が必要なため、入院となります。

胃ポリープになりやすい人・予防の方法

ヘリコバクター・ピロリ菌の感染者は、過形成性ポリープができやすいといわれています。そのためヘリコバクター・ピロリ菌感染が認められた場合、除菌することが胃ポリープの発生予防につながります。

またヘリコバクターピロリ菌による慢性的な胃炎は、胃がんの原因の一つとされています。胃内視鏡検査による胃がん検診の対象年齢は50歳以上ですが、ピロリ菌に感染している場合は若年層でも胃がんのリスクがあります。ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているかどうか確認したことがない方は、一度医療機関で検査を受けることをおすすめします。

関連する病気慢性胃炎萎縮性胃炎

胃がん

貧血

参考文献

胃ポリープにはどんなものがありますか? | 日本消化器内視鏡学会 (jges.net)

消化器内視鏡Q&A

内視鏡治療

関連記事:

Medical DOC
Medical DOC
Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。
Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。