頭痛の前兆や初期症状について
頭痛の前兆や初期症状は、頭痛の種類によって異なります。
一次性頭痛
片頭痛
片頭痛には、前兆のある片頭痛と前兆のない片頭痛があります。前兆のある片頭痛で見られる症状は90%以上が視覚症状で、閃輝暗点(せんきあんてん:キラキラした光、ギザギザの光があらわれ見えづらくなる)があらわれます。その次に多いのが感覚症状で、チクチク感や感覚が鈍くなることがあります。そのほか、言葉が出にくくなる言語症状が稀にみられることがあります。これらの前兆は、片頭痛が起こる60分前〜直前に生じます。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は一次性頭痛で最も多く、発症頻度により反復性(月に15日未満)と慢性(3ヶ月を超えて平均して1ヶ月に15日以上)に分かれます。いずれも、一般的に頭の両側に圧迫感または締め付け感の症状があり、30分〜7日間持続します。強さは軽〜中等度で、歩行や階段の昇降などの日常動作によって症状が悪化することがないのが特徴です。
群発頭痛
群発頭痛は眼の周囲〜前頭部、側頭部にかけて、目がえぐられるような激しい痛みが15〜180分間持続するのが特徴です。数週間から数ヶ月にわたり1日に何度も頭痛発作が起こり、日常生活に支障をきたします。目の充血や涙が流れる、鼻づまりや鼻汁、顔面の発汗、縮瞳や瞼が下がるなどの症状を伴うこともあります。
二次性頭痛
原因となっている疾患の症状のひとつとして頭痛が生じます。症状から片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛のように思われても、何らかの疾患が原因となっている可能性があります。今までに感じたことのないほど激しい痛みのある突然の頭痛や発熱を伴う頭痛、手足のしびれや感覚の異常などの症状がある場合は、生命にかかわる頭痛の可能性もあるため、早急に病院を受診するようにしてください。
頭痛の検査・診断
頭痛の診断では、まず危険な頭痛である二次性頭痛かどうかを見分けることからはじまります。
問診により、頭痛を引き起こしうる他の疾患の診断がなされているか病歴などを聴取します。二次性頭痛のスクリーニングには「SNNOOP10リスト」が用いられることが一般的です。
(出典:日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会「頭痛診療ガイドライン2021」)
二次性頭痛が疑われる場合、頭部CT検査や頭部MRI検査による画像診断を行います。さらに発熱など頭痛に伴うほかの症状がある場合、必要に応じて血液検査や心電図、脳波検査などを実施することがあります。
一次性頭痛は、二次性頭痛の可能性を除外したうえで、頭痛の頻度や痛む場所、日常生活への支障度、頭痛の特徴などにより診断されます。
配信: Medical DOC