過換気症候群

過換気症候群

過換気症候群の概要

過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)は、不安や緊張などの精神的ストレスが原因で、呼吸が速く浅くなる過呼吸状態を引き起こす疾患です。この状態が続くと、血液中の二酸化炭素濃度が低下し、体内がアルカリ性に傾くことでさまざまな症状が現れます。過換気症候群は特に若い女性に多く見られますが、男性や高齢者にも発症することがあります。

過換気症候群は、本態性過換気症候群と二次性過換気症候群に大別されます。本態性過換気症候群は、明らかな原因がない場合を指し、不安障害や心身症などの精神疾患が背景にあると考えられています。一方、二次性過換気症候群は、肺疾患や代謝性疾患、中枢神経系疾患などの器質的疾患に伴って発症する場合を指します。

過換気症候群の原因

本態性過換気症候群の原因

本態性過換気症候群の主な原因は、精神的な不安や恐怖、緊張などのストレスです。これらの心理的要因が呼吸中枢に影響を与え、呼吸が速く浅くなる過呼吸状態を引き起こします。不安障害や心身症、うつ病などの精神疾患が背景にあることが多く、ストレス対処能力の低下や認知の歪みが関与していると考えられています。

二次性過換気症候群の原因

二次性過換気症候群は、以下のような器質的疾患に伴って発症します
呼吸器疾患
肺気腫、気管支喘息、間質性肺疾患など
代謝性疾患
糖尿病、甲状腺機能亢進症、肝硬変など
中枢神経系疾患
脳腫瘍、脳血管障害、多発性硬化症など
その他
肥満、妊娠、薬物中毒など

これらの疾患によって、呼吸中枢や呼吸筋の機能が障害されたり、酸塩基平衡が乱れたりすることで、過換気が引き起こされます。

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