過換気症候群の前兆や初期症状について
過換気症候群の初期症状としては、以下のようなものが挙げられます
呼吸困難
呼吸が速く浅くなり、息切れを感じる
手足のしびれ
血液中の二酸化炭素濃度が低下し、カルシウムイオン濃度が低下することで起こる
動悸
過換気による血液のアルカリ化が原因
めまい
脳への血流量の変化が原因
吐き気
アルカリ化による胃酸分泌の亢進が原因
胸部圧迫感
過換気による胸郭の動きの変化が原因
頭痛
二酸化炭素濃度の低下や血管の収縮が原因
失神
脳への血流量の低下が原因
これらの症状は、過呼吸によって血液中の二酸化炭素濃度が低下し、体内がアルカリ性に傾くことで引き起こされます。特に手足のしびれや筋肉の痙攣(テタニー症状)は、カルシウム濃度の低下によるものです。
重症化すると、意識障害や痙攣発作を起こすこともあります。また、長期にわたる過換気状態が続くと、代謝性アルカローシスや呼吸性アルカローシスを引き起こし、さらに症状が悪化する可能性があります。
過換気症候群の前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、精神科、内科です。過換気症候群は過剰な呼吸によるものであり、精神科や内科で診断と治療が行われています。
過換気症候群の検査・診断
過換気症候群の診断は、主に患者さんの症状と病歴に基づいて行われます。医師は、問診と身体所見から過換気症候群を疑い、必要に応じて以下のような検査を行います
動脈血液ガス分析
動脈血から採血し、血液中の二酸化炭素分圧(PaCO2)、pH、塩基過剰(BE)などを測定します。過換気症候群では、PaCO2が低値を示し、pHが高値(アルカリ性)を示すことが特徴的です。BEも正常値より低くなります。
パルスオキシメトリー
指先に装着したセンサーで、動脈血中の酸素飽和度(SpO2)を非侵襲的に測定します。過換気症候群では、通常、SpO2は正常範囲内にあります。
胸部X線検査
肺疾患や心疾患を除外するために行われます。過換気症候群自体では、胸部X線に異常所見はありません。
心電図検査
心筋虚血や不整脈などの心疾患を除外するために行われます。過換気症候群では、一過性の心電図変化が見られることがあります。
その他の検査
必要に応じて、甲状腺機能検査や血液生化学検査、呼吸機能検査なども行われる場合があります。これらの検査で、過換気症候群の原因となる基礎疾患の有無を確認します。
配信: Medical DOC