ガングリオン

ガングリオン

ガングリオンの前兆や初期症状について

ガングリオンは、はじめは関節や腱の周囲に小さなしこりとして自覚されることが多い傾向です。大きさは数mmから数cmまでさまざまで、時間とともに大きくなったり、逆に小さくなったりすることがあります。
痛みや不快感といった症状が現れることもあります。特に、関節を動かしたり、圧力をかけたりすると痛みが増すことがあります。ガングリオンが神経の近くに位置する場合、神経を圧迫してしびれや筋力低下が生じることもあります。これにより、手や足の感覚に異常を感じたり、動きに支障が出たりすることがあります。
初期段階では、これらの症状が軽微、または無症状の場合も多く、見過ごされることがあります。しかし、大きくなると、目立つようになり、不快感や痛みが増してくることがあります。しこりが関節の動きを妨げることもあり、日常生活において不便を感じることがあるため、初期症状を見逃さずに適切な診断と対応を行うことが重要です。
ガングリオンの前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、整形外科です。ガングリオンは関節や腱に発生する嚢胞であり、整形外科での診断と治療が行われます。

ガングリオンの検査・診断

ガングリオンの検査と診断は、患者さんの症状やしこりの位置、硬さ、大きさなどに基づいて行われます。診断の過程では、以下の手順が一般的に取られます。

1. 視診と触診

最初に、医師は視診と触診を行います。しこりの大きさ、形状、硬さ、動きなどを確認し、皮膚の下にあるガングリオンを評価します。ガングリオンは通常、透明な液体で満たされているため、光に透かすと内部が見えることがあります。この特徴はガングリオンの診断に役立ちます。

2. 画像診断

視診と触診でガングリオンが疑われる場合、画像診断が行われることがあります。以下のような方法が用いられます。

X線検査
X線検査では、骨の構造を鮮明にみることができます。ガングリオン自体は写りませんが、背景の関節の変形などをみたり、骨腫瘍など、ほかの疾患を除外するために使用することがあります。
超音波検査、MRI(磁気共鳴画像法)
しこりの内部が液体であることを確認したり、血管や神経など、周囲の組織との関係を評価したりできます。体表からはみえないガングリオンを発見したり、しこりをほかの疾患と区別したりするために使用できます。

3. 穿刺

ガングリオンの診断を確定するために、穿刺が行われることがあります。これは、細い針を用いてガングリオン内の液体を吸引する手技です。吸引した液体は、透明でゼリー状であることが多く、これがガングリオンの特徴です。穿刺により、感染症やほかの疾患との鑑別が行われます。また、穿刺によって一時的に症状が緩和されることもあります。

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