ガングリオンの治療
ガングリオンの治療は、症状の重さや患者さんの希望に応じて選択されます。一般的な治療法は以下の通りです。
1. 経過観察
ガングリオンが無症状であり、日常生活に支障をきたさない場合、多くの医師は経過観察を勧めます。ガングリオンは自然に消失することがあり、特に痛みや機能障害がない場合は、積極的な治療を避けることが一般的です。
叩いたり、圧力をかけて押し潰すといったことはすべきではありません。治療効果が示されておらず、関節の損傷を引き起こす可能性もあります。
2. 非外科的治療
穿刺と吸引
ガングリオン内の液体を針で吸引する方法です。この手技は簡単で、痛みを即座に軽減できることがあります。ただし、再発のリスクが高く、一時的な効果にとどまることが多い傾向です。
ステロイド注射
穿刺後にステロイドを注入することで、炎症を抑え、症状を軽減できる可能性があります。
固定
ガングリオンが手首や足首にある場合、装具やサポーターを使用して関節の動きを制限し、痛みを軽減することがあります。これにより、しこりが小さくなることもあります。
3. 外科的治療
非外科的治療で症状が緩和されない場合、再発を繰り返す場合などに外科的切除が考慮されます。関節周囲のガングリオンの場合、手術の際、関節包から繋がる茎のような構造もあわせて切除することが大切です。
術後には多少の痛みや不快感、腫れが生じる場合がありますが、通常は数週間で回復し、日常生活に戻ることができます。手術は直視下、または関節鏡下で行われ、関節鏡下の方が回復がはやい傾向にあります。手術により、ほとんどの場合、症状が緩和され、再発のリスクも大幅に軽減されます。ただし、手術をしても再発する可能性はあります。
ガングリオンになりやすい人・予防の方法
ガングリオンになりやすい人
ガングリオンは誰でも発症する可能性がありますが、以下のような人で多いとされます。
関節や腱を頻繁に使用する人
体操選手など、手首や足首を頻繁に使う活動を行う人々はガングリオンのリスクが高まります。
関節に既往歴がある人
関節炎や変形性関節症、外傷といった既往歴がある場合、ガングリオンが発生しやすくなります。
女性
統計的に、ガングリオンは女性に多くみられることが報告されています。
若年
ガングリオンは15歳から40歳の間で起こることが多いとされます。
ガングリオンの予防の方法
ガングリオンの原因は正確にはわかっておらず、予防の方法も確立されていません。ただし、長時間同じ作業を続けずに適度に休息をとるなど、関節の負担を減らすことでリスクを下げることはできるかもしれません。
いずれにせよ、早期の診断と治療が推奨されます。気になる症状がある場合は整形外科を受診しましょう。
参考文献
https://www.yalemedicine.org/conditions/ganglion-cyst
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/ganglion.html
https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/ganglion-cyst-of-the-wrist-and-hand/
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/ganglion-cyst/diagnosis-treatment/drc-20351160
https://www.nhs.uk/conditions/ganglion/
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/ganglion-cyst/symptoms-causes/syc-20351156
配信: Medical DOC
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