カリウムを下げる食べ物とは?Medical DOC監修医がカリウムを下げる食べ物・高くなると現れる症状・原因などを解説します。
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監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。
保有免許・資格
管理栄養士資格
「カリウム」とは?
カリウムとは、体内の水分調節に重要な役割を担うミネラルの一種です。
体内に摂り込まれたカリウムのほとんどが細胞内に存在し、ナトリウムとの相互作用によって浸透圧を調節しています。
また、ナトリウムの再吸収を抑制し、尿として体外に排泄することで血圧をコントロールしています。
カリウム値は高くても低くても身体に悪い影響を与えますが、特に注意が必要なのが高カリウム血症です。
進行すると脱力感や呼吸困難感、不整脈などを引き起こし、重症例では命に関わるため早急に治療が必要です。
カリウムが高くなる原因
血清カリウムの基準値は3.5〜5.0mEq/Lです。血清カリウム値が5.5mEq/L以上の状態を高カリウム血症といい、重症度に合わせた治療が必要になります。
腎機能の低下
高カリウム血症を引き起こす原因の一つが、腎機能の低下です。腎臓は、血液をろ過して余分な水分や塩分、老廃物などを体外へ排泄する役割を担っています。しかし、腎臓の血流低下や炎症によって腎機能が低下すると、カリウムが体内に溜まって高カリウム血症を引き起こします。そして、腎機能の低下を引き起こす病気の一つが慢性腎臓病(CKD)です。腎機能の低下や腎臓の障害が3ヵ月以上続いている状態で、放置すると命に関わります。重症度に合わせて食事療法や薬物療法、透析治療などが適応されます。
脱水症
脱水症になると尿量が減るため、カリウムの排泄量が減ります。さらに、体内の水分不足によって血液が濃縮されるため、血中のカリウム濃度は高値となります。特に子どもや高齢者はのどの渇きを感じづらく、体内の水分量も少ないため注意が必要です。こまめな水分補給だけでなく、ミネラル摂取も忘れず行いましょう。
薬剤による影響
薬剤によるカリウムの過剰摂取や、カリウムの排泄を抑制する薬剤によって高カリウム血症を引き起こすことがあります。具体的には、低カリウム血症の治療薬である塩化カリウムやアスパラカリウム、グルコンサンKなどです。また、降圧剤の一種であるACE阻害薬やアンジオテンシンⅡ阻害薬(ARB)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も高カリウム血症を引き起こすリスクがあります。治療期間中は医師の指示に従い、定期的に診察や検査を受けましょう。
配信: Medical DOC