睡眠障害の概要
睡眠障害とは睡眠に問題が起きる病気の総称です。日中の眠気や不眠が1ヶ月以上続くときは、何らかの睡眠障害をきたしている可能性があるでしょう。
睡眠障害による休養不足は、心身に悪影響をもたらします。不眠や短時間睡眠が続くと、日中の強い眠気や注意力の低下などを引き起こし、仕事上のミスや居眠り運転などにつながる危険性があります。睡眠障害の種類は多岐にわたるため、適切な診断と治療が大切です。
睡眠障害の原因
睡眠障害をきたす代表的な病気について解説します。
不眠症
不眠症は、入眠障害(寝つきが悪い)、中途覚醒(眠りが浅く途中で目が覚める)などによって、倦怠感や集中力の低下などの不調が現れる症状です。不眠症の主な原因は、ストレス・こころや身体の病気・薬の副作用です。
不眠症は、うつ病や不安症などの症状として現れることが多く、精神疾患の悪化を防ぐためにも、早期の受診が重要です。
閉塞性睡眠時無呼吸
閉塞性睡眠時無呼吸の主な原因は、加齢による気道の筋力低下や肥満です。
閉塞性睡眠時無呼吸は、睡眠中に空気の通り道(気道)が何らかの理由で狭まり、呼吸がしにくくなったり、一時停止したりする病気です。夜間に呼吸の異常が出ることで深い睡眠が減ってしまい、日中の眠気や不眠などの症状が出現します。
睡眠関連運動障害
睡眠関連運動障害には、むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害があります。いずれの疾患も、鉄不足によってドパミンが作られにくくなり、発症すると考えられています。
むずむず脚症候群は、安静時に手足の「むずむず」や「ざわざわ」などの不快感があり、手足を無意識に動かしてしまう状態です。眠気は感じているものの、手足の動きが気になって寝付けなくなる可能性があります。
周期性四肢運動障害は、手足の筋肉がピクつきを繰り返し、睡眠中に目が覚めてしまい、深い眠りが妨げられます。
過眠症
過眠症は、夜に十分に睡眠をとっているのに、日中に強い眠気が現れる病気です。過眠症は、ナルコレプシーや特発性過眠症などに分けられます。
ナルコレプシーの原因は、目を覚ます働きがあるタンパク質を、身体が作り出せなくなることです。また、特発性過眠症は、日中に原因不明の過度な眠気が起こっている状態です。
概日リズム睡眠覚醒障害
概日リズム睡眠覚醒障害は、寝起きのタイミングが社会生活とずれて、日中に強い眠気や倦怠感などが起こるものです。寝起きのタイミングがずれる原因は、次のとおりです。
極端な早寝早起き
極端な遅寝遅起き
日勤や夜勤の交代勤務
海外旅行による時差など
日中の眠気や集中力の低下によって、仕事や学業などの生活面に支障が出る可能性もあります。
配信: Medical DOC