睡眠障害の前兆や初期症状について
睡眠障害の症状には、睡眠時間の短縮・睡眠休養感の低下・日中の眠気や居眠りがあります。
睡眠時間の短縮
十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず、眠っている時間が以前より著しく短くなる状態です。
睡眠時間の短縮が起こる睡眠障害には、不眠症が挙げられます。不眠が続くと、眠れないことへの不安や緊張が強くなり、ベッドで悶々とする時間が増えて苦痛を感じます。
睡眠休養感の低下
朝目覚めたときの休まった感覚が低い状態です。中途覚醒の増加や睡眠時間の短縮が原因で、十分な休養がとれていない可能性があります。睡眠休養感の低下が起こる睡眠障害は、不眠症・閉塞性睡眠時無呼吸・むずむず脚症候群などです。
日中の眠気や居眠りを起こしやすい睡眠障害
閉塞性睡眠時無呼吸や過眠症などがあります。日中に睡眠障害で起きる眠気は、慢性的に持続するケースが多い傾向です。一方、重症の閉塞性睡眠時無呼吸では、突然の居眠りが発生する例もあります。
睡眠障害の前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、精神科、神経内科です。睡眠障害は精神的および身体的要因が関与するため、精神科や神経内科での診察が必要です。
睡眠障害の検査・診断
睡眠障害は、問診と睡眠の状態を観察する検査によって診断されます。問診は、心身の病気・服用している薬・生活習慣などを聞き取ります。
簡易ポリグラフ検査
睡眠時無呼吸症候群が疑われるときに実施する検査です。患者さんの自宅で、呼吸の状態と血液中の酸素濃度を測定します。
ホルターSpO2
腕時計型の記録装置で、動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定する検査です。睡眠時無呼吸症候群といった病気が原因で、身体に酸素を取り込む力が落ちていないかを調べます。
睡眠ポリグラフ検査(PSG)
入院して睡眠の状態を調べる検査です。呼吸状態や血液中の酸素濃度に加えて、筋電図や脳波なども測定し、無呼吸の状態や睡眠の質を調べます。睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害などの評価が目的です。
反復睡眠潜時測定検査(MSLT)
入院して昼間の眠気を評価する検査です。MSLTは主に過眠症の検査として使われ、日中に時間を決めて20分程度眠って、眠るまでの早さを記録し、眠気の強さを判定します。
それぞれの検査は、患者さんの症状に応じて選択されます。
配信: Medical DOC