睡眠障害の治療
治療法は睡眠障害の種類によって異なります。
不眠症は、うつ病や不安障害などの病気があれば、優先して治療をします。睡眠を促す生活習慣や睡眠環境を整えても不眠が改善しないときは、睡眠薬による薬物療法が適応です。抗うつ薬や精神安定剤なども、不眠の治療に使われる可能性があります。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療
ダイエットや飲酒制限などの生活習慣改善や、睡眠薬の減薬や中止などです。重症度に応じて、マウスピース治療や持続陽圧呼吸療法(CPAP)が検討されます。CPAPは、マスクを装着して持続的に空気圧をかけ、気道の閉塞を和らげる治療法です。
過眠症
眠気を覚ます作用がある精神刺激薬を使った治療法があります。精神刺激薬の依存性の観点から、処方できる病院や医師は限られているのが現状です。
概日リズム睡眠障害は、規則正しい生活で睡眠と覚醒のリズムを整えます。治療効果が不十分なときは、光療法が検討されます。
医師と相談し、睡眠障害の症状に合った、適切な治療法を選びましょう。
睡眠障害になりやすい人・予防の方法
睡眠障害になりやすい人は、次のとおりです。
太陽の光を浴びる習慣がない
スマートフォンやパソコンなどの電子機器を使い過ぎている
運動をしていない
朝食を欠食している
夜食を摂っている
嗜好品(カフェイン、アルコール、タバコ)の習慣がある
睡眠障害を予防するためには、生活習慣の改善が大切です。
日中に日光を浴びるようにすると、体内時計が調節されて入眠しやすくなります。寝室にはタブレット端末やスマートフォンを持ち込まず、照明を暗くして寝ると、よい睡眠につながるでしょう。また、就寝1~2時間前に入浴して身体を温めると、寝つきがよくなります。
適度な運動は、入眠が促進されたり、中途覚醒が起こりにくくなったりする点がメリットです。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、深い睡眠や睡眠時間を増やし、睡眠休養感を高めます。ダンベルを用いるような筋肉トレーニングも、睡眠の改善に効果があると考えられています。
朝食の欠食は体内時計を乱すため、しっかり摂るようにしましょう。就寝前の夜食や間食は体内時計に影響し、睡眠の質を低下させるため、控えるようにします。
カフェインの摂取量が1日400mg(コーヒー700cc程度)以上になると、夜眠りにくくなる可能性があります。カフェインの総摂取量を減らし、夕方以降はカフェインが含まれるコーヒーやお茶などは、控えるとよいでしょう。
アルコールは、中途覚醒を増やして眠りの質を下げるため、晩酌は控えめにして寝酒はしないようにします。タバコに含まれるニコチンは覚醒作用があるため、禁煙が推奨されます。
適切な睡眠環境や生活習慣をとり入れ、睡眠障害を予防しましょう。
参考文献
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https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/fuminkamin.pdf
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000316.html
配信: Medical DOC
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