50代になると、子育ての責任から解放され自分らしい自由な人生を楽しみたいと考える方も多いと思います。
しかし、50代の離婚には若い世代の離婚とは異なりさまざまな複雑な問題が絡むことがあります。
この記事では、50代の離婚について
財産分与
準備すべき事
具体的な離婚手続き
などについて解説していきます。
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1、50代の離婚は「自由」を求めている
50代の離婚でも、若い世代の離婚と同じように、配偶者の浮気や不倫、DV、モラハラ、浪費などを原因とするケースもあります。
しかし、そのような原因がなくても「自由」を求めて離婚する人が多いのが50代の離婚の特徴といえます。
40代までは自由を制限されていても子どものために離婚を思いとどまる人が多いですが、50代となって子育てが一段落すると、自分らしい人生を自由に生きたいと考える人が少なくありません。
50代後半男性オーパスと申します
連れ添って もうすぐ20年になる同年代の妻と離婚するべきか悩んでおります。
いろいろな皆様のご意見、自分では気がつかない視点や考え方、悩みを乗り越えた方など参考にさせてください。
子供はいません。まるまるローンで購入したマンションに2人で暮しており、私は一千万、彼女は百万ほどの年収で働いています。家計は全て彼女が管理しておりお小遣い制です。お互いに相手のことは尊敬してやってきましたが、もう10年スキンシップもなくなり、異性としてではなく、生活の上での単なるパートナーになっています。どうすればよいか訊ねたら見えないところで浮気すればよい、でも小遣いは上げないとのこと。
私は週5日で残業も多いのに対し、 彼女は週2日の出勤なので家事全般をお願いしています。
お掃除やお料理は元々得意ではなかったのですが、20年経っても一向に改善しませんでした。上手に導けば良かったのですが、本人にその気がなければ上達もしないだろうと諦めたり、グチグチ言うのが嫌だったのもあります。価値観もかなり異なりますがそんな彼女を選んだのは自分なので自業自得とは思うものの、このまま不満を抱えつつダラダラと夫婦を続けていいものだろうか? との思いが募ります。
離婚したいとジャブを繰り出したら、絶対しない。と返ってきました。 理由は金銭的なことのようです。
これからの20年は人生の最終章 できれば自由気ままに生きたいと思うのですがワガママでしょうか。
引用元:発現小町|離婚すべきか
この男性は離婚を迷っているようですが、「不満を抱えつつ夫婦を続けてもいいものだろうか」、「人生の最終章は自由気ままに生きたい」という願いは切実なものであろうと思われます。
女性であれば、やってみたい仕事があるのに夫に反対されてきた(または遠慮してきた)というようなケースもあるでしょう。
人生の折り返し地点を過ぎ、今後の人生ではやりたいことをしたいと思ったとき、配偶者の存在が支障になると離婚問題に発展しがちです。
頭痛、不眠症、耳鳴り、胃痛に苦しみ、医者にかかったとき言われたのが夫原病です。
10年の単身赴任から2年前に夫が定年で戻って来ました。
元々束縛系の夫でしたが、変わっていませんでした。
休日に私が友達とでかけるのは基本嫌い。私が誘っても断られる。私を誘って出掛けることは皆無。かといって家で1日中テレビばかり。散歩を一人で一時間するだけ。会話も少なく、たまに話す内容は金が貯まらないこと。
私は社交的なので、気にせず出掛けておりますが、虫の居所が悪い時には、そのあと夫がふて腐れて口をきかなくなります。下手したら1ヶ月以上も。
そのくせお出かけに誘ったら、嫌味ったらしく、各々で楽しみましょう、と言う。
たぶん、夫は私に母親を求めています。
でも、私は母にはなれません。
友達は、そういう人だと諦めろと言いますが、これからの長い時間を思うと夫原病がひどくなるだけの気がします。
夫も変われない、私も変われない。
夫に付き合って1日中テレビを見ているだけの老後は出来ません。
友達と出掛ける度に夫の顔色を伺う老後も苦痛です。
私はこれからどうすれば楽に生きられるのでしょうか?
引用元:発現小町|夫原病になりました
特にやりたいことがあるわけではなくても、長年の窮屈な結婚生活から解放されたいという思いで離婚を求める人も少なくありません。
女性の場合は、子育てから解放されて時間に余裕ができると、友人等との交流を楽しみたいと考える人が多いものです。しかし、それを夫から制限されたり、この投稿者のように夫が不機嫌になるようでは自分の時間を楽しむことができません。
その結果、妻は自由を求めて離婚を考えるようになるのでしょう。
旦那と自営の仕事をしている50代女性です。
旦那の両親と結婚して30年余りずっと同居です。
私にとっては、大変辛い結婚生活でした。
特に、義母には、実家の事で嫌味や 悪口 など
本当に辛く、しばらくは心療内科を受診してました。
そんな義母 義父の色々な所用をしてきましたが、旦那にとっては、私が勝手にしてる事だから私に感謝なんて必要ないと言います。
昨日も、義母の用事のために仕事抜けて行きました。
その時も、私か旦那か、どちらが行くかと言う話になりましたが、旦那も都合がつけば行くと言っておりましたが、結局は仕事を抜ける事が出来なくなり私が行く事になりました。
用事を済ませて、仕事に戻ってきても、仕事で私のミスを責め(ミスは私が悪いので責められることは当然だと反省はしております)、一言も、旦那の母の用事を済ませてきたことに対しては ありがとうの一言もありません
少し私が感謝の気持ちは無い?と尋ねると
旦那は自分が行くって言ってた っとだからどうして感謝する必要があるのかと言います。
私も、いつもいつも感謝をしてって言ってるわけではないつもりです。
こんな考え方が悪いのでしょうか?
引用元:発言小町|感謝しない旦那
50代の離婚では、夫の世話から解放されたいという妻も多いものです。
長年にわたって毎日夫の世話に追われてきたのに感謝もされず、愛情も感じないようでは「今までの人生は何だったのか」と思うことでしょう。
夫が定年退職を迎えて毎日家にいるようになったら妻の負担はさらに増えますし、将来的には夫の介護もしなければならないと考えると、「解放されたい」と思うのも無理はないのかもしれません。
2、50代の離婚の一番の鍵!「財産分与」とは
50代の離婚では、財産分与で今後の生活の糧を確保することが極めて重要です。
財産分与とは、夫婦共有財産を離婚時に分け合うことをいいます。夫婦共有財産とは、夫婦か婚姻中に共同して築いた財産のことです。多くのケースでは、収入や資産が多い夫から妻へ財産を渡すことになります。
財産分与は慰謝料と異なり、離婚原因とは無関係に請求できるものなので、どのようなケースでも夫婦共有財産がある限り請求することができます。
(1)財産分与の割合は50:50
財産分与の割合は、基本的に50:50です。つまり、離婚時には夫婦共有財産を原則として2分の1ずつに分け合うことになります。
通常、夫婦はお互いに助け合って生活しているため、財産の形成・維持に対する貢献度は同程度と考えられているからです。
婚姻中にどちらかの収入で取得した財産は、所有名義とは無関係に、基本的にすべて夫婦共有財産となります。たとえ夫の収入で、夫の名義で取得した財産であっても、夫の収入に妻も貢献していると考えられるので、共同で取得した財産といえるからです。
なお、夫名義の財産を分与してもらうとなると、贈与税がかかるというイメージがあるかもしれませんが、離婚時の財産分与は非課税とされていますのでご安心ください。
ただし、離婚とは無関係に贈与されたものと税務署に判断されると贈与税を課せられてしまう可能性があります。そのため、財産分与の内容を証明できるように離婚協議書を作成しておくことが重要となります。
(2)財産分与の割合が1/2にならないケースもある
次の2つのケースでは、例外的に財産分与の割合が2分の1になりませんので、ご注意ください。
①特有財産がある
1つめのケースは、夫婦どちらかの「特有財産」がある場合です。
特有財産とは、夫婦が協力して取得したものではなく、一方が固有の原因によって取得した財産のことです。
例えば、相続や贈与を受けた財産や、結婚する前から持っていた財産は、夫婦が共同して築いたものではないので特有財産にあたります。
特有財産は財産分与の対象となりませんので、分与割合は100:0となります。
また、結婚後に築かれた財産でも、元手の一部に特有財産が含まれている場合には分与割合が修正されます。
例えば、マイホームの購入資金の一部に夫が結婚前から有していた貯金を充てたような場合です。
この場合、マイホームは財産分与の対象となりますが、夫の結婚前の貯金に相当する部分は評価額から差し引かれます。そのため、財産分与で妻が取得できる割合は2分の1よりも少なくなります。
②貢献度・寄与度が明らかに違う
2つめのケースは、財産の形成・維持に対する貢献度・寄与度が明らかに違う場合です。
例えば、夫が会社の経営者や医師・弁護士などで、特殊技能によって高収入を得て財産を築いたと言えるような場合です。このような場合も、財産分与における妻の取得割合は2分の1よりも少なくなります。
ただし、妻が専業主婦であっても、それだけの理由で貢献度・寄与度が低いわけではないということにご注意ください。
なぜなら、妻が家事や育児を担当するからこそ夫は外で働いて収入を得られるのですから、家事労働にも夫の労働と同等の経済的価値があると考えられているからです。
そのため、夫が一般的な会社員や公務員で、妻が専業主婦といったケースでは財産分与割合は2分の1が基本となります。
分与割合が修正されるのは、あくまでも夫婦の一方の特殊技能によって、他方の貢献度・寄与度を超える財産が築かれた場合に限られます。
(3)財産分与する「財産」とは?
夫婦が婚姻中にどちらかの収入で取得した財産は、基本的にすべて財産分与の対象となる「財産」に当たります。
代表的な財産として、預貯金やマイホーム、自動車、家具・家電等が挙げられます。
50代の離婚では各種の投資や保険、個人年金等の資産形成商品も高額となることが多いので、忘れずに分与を求めましょう。
もうひとつ忘れやすいものとして、退職金があります。退職金は、おおむね今後10年以内に支給が見込まれる場合には財産分与の対象となります。そのため、50代の離婚では退職金の分与を求めることが可能な場合が多いので、忘れずに求めるようにしましょう。
(4)まずは財産をピックアップしよう
財産分与を適切に行うためには、分与割合も重要ですが、その前に対象となる財産を漏れなくピックアップすることが必要です。
離婚を切り出した後は夫が資産を隠す可能性があるため、できる限り事前に夫の財産を調べておくべきです。預貯金や投資、保険、個人年金等に関する書類が家の中にないかを確認してみましょう。
自分では調査しきれない場合は、裁判手続きを使って調査する方法もあります。その場合は、弁護士に相談することをおすすめします
なお、離婚後の生活費を確保するためには自分も資産隠しをしたくなるかもしれませんが、それはおすすめできません。
例えば、へそくりは黙っておけばバレにくいものですが、へそくりも基本的に財産分与の対象となりますので、黙っておくのはフェアではありません。
妻が長年専業主婦をしてきたようなケースで、通常の財産分与のみでは離婚後の生活に不安がある場合には、「扶養的財産分与」として多めの分与を求めることもできます。
したがって、資産はきちんと開示した上で、事情に応じて適切な財産分与を求めるのがフェアなやり方といえます。
配信: LEGAL MALL