配偶者暴力防止法(DV法)の基本知識~重要な8つのこと

配偶者暴力防止法(DV法)の基本知識~重要な8つのこと

5、配偶者暴力防止法(DV法)の適用対象は拡大されている

配偶者暴力防止法は、これまで何度か改正されてきており、そのたび適用対象が拡大されています。

法律が制定された当初は「婚姻中の夫婦」における「身体的な暴力」だけが保護命令の対象でしたが、今では「離婚後の元配偶者」や「同棲中の恋人」のケースにも適用されるようになっていますし、「生命や身体に対する脅迫行為」も対象になっています。

これは、DVがなかなか減らない現状や、実際には結婚前(同棲中)であっても配偶者から暴力を受ける人が多いこと、脅迫的な暴言に苦しむ人も多いことなどに鑑みて、徐々に現状に応じて適用対象が拡大されてきたことによります。

6、配偶者暴力防止法(DV法)により保護命令や退去命令を適用できる

DV法には「保護命令」に関する規定があります。

保護命令とは、配偶者による暴力の被害に遭っている人の安全を確保するため、裁判所に申し立てることによって一定の保護措置をとるための命令です。

保護命令には、以下の種類があります。

加害者が被害者に近づくことを禁じる「接近禁止命令」
加害者が被害者の家から退去しなければならないとする「退去命令」
電話やメールなどによる嫌がらせや監視していることを告げることなどを禁止する「電話等禁止命令」
子どもや親族に近づいてはいけないとする「(子どもや親族への)接近禁止命令」

これらの保護命令を適用してもらうには、以下の要件を満たす必要があります。

婚姻関係の夫婦(事実婚を含む)または同棲している恋人
同居中に、相手から「身体的な暴力」または「生命・身体に対する脅迫」を受けた
今後も暴力や脅迫を受ける可能性がある

以前は同棲中の恋人には適用されませんでしたが、今は婚姻しておらず同棲中に暴力を受けたケースでも保護命令の対象になります。

上記の3つの要件を満たす場合に保護命令を申し立てれば、裁判所が相手に対する接近禁止命令や退去命令を出してくれるので、身に危険を感じているならば、是非とも利用しましょう。

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