楽しいイベントがある連休やゆっくりしたい週末などは、親も子どももついつい夜ふかしや朝寝坊をしてしまいがちです。休み明けの朝はすっきりと起きられず、「まだ起きたくない」「保育園に行きたくない」とグズグズしてしまうなんてことはありませんか?
そんな3〜5歳に多い休日の睡眠の悩みや親の睡眠不足について、アメリカ・ニューヨークを拠点に活動する睡眠コンサルタント・愛波あやさんに聞きました。
全2回インタビューの2回目です。
休み明けの朝がつらいのは「社会的時差ボケ」の可能性あり!?
――著書『忙しくても能力がどんどん引き出される 子どものためのベスト睡眠』の中で、「休み明けの朝に起きるのがつらいのは『ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)』によるもの」とあります。「社会的時差ボケ」というのはどういうものなのでしょうか?
愛波さん(以下敬称略) 連休中は毎日朝寝坊の生活をするなどで、体内時計が狂うと休み明けの朝がつらいことも。海外旅行で飛行機に長距離乗ったときと同じような時差ボケ状態になっていることから「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」と呼ばれています。
とくに2時間を超える「社会的時差ボケ」があると、睡眠の質の低下はもちろん、日中に強い眠けを引き起こすことがわかっています。休み明けの1日だけではなく、その週の前半まで日中のパフォーマンスを低下させ、学業やお友だち関係にも悪影響を及ぼします。
――子どもの「社会的時差ボケ」を防ぐために、親が気をつけられることは何かありますか?
愛波 とてもシンプルなことですが、体内時計を毎日しっかり整えることです。たとえば、休日の朝、普段よりも2時間以上長く寝かせてしまうと、その日の就寝時間も遅くなりがちです。週末の土曜に1日だけ1時間くらい遅く起きたり、寝たりするくらいならまだいいのですが、日曜までそれを続けてしまうと、休み明けにも影響します。
体内時計をきちんと整えるには、起床後にしっかり朝日を浴びることがとても大切です。朝日を浴びることでセロトニンが分泌されて、それが夕方から夜にかけて睡眠ホルモンのメラトニンになっていくので、まずはしっかり朝日を浴びることを意識してみてください。いい睡眠のためには、外に出て運動をしたり、食事もしっかりとったりしてほしいですね。
連休などがあると同じ時間に寝かせることが難しい日もあると思いますが、なるべく大体毎日同じようなスケジュールで子どもを寝かせてほしいですね。寝る時間と起きる時間がどんどんずれていってしまうと、休み明けの朝をつらく感じてしまいます。遅寝遅起きにならないためにも、朝6時まではしっかり遮光をすること。6時以降は朝日をしっかり部屋に入れることをぜひ試してみてほしいです。
起床時間を過ぎていても寝かせてOK?それとも起こすべき?
――朝、子どもが普段の起床時間を過ぎても寝ているときはどのように起こすのが効果的でしょうか?
愛波 それが休日の朝で、かつ平日に睡眠時間を十分にとれなかった場合の寝坊であれば、そのまま寝かせてあげてもOKです。ただ、朝寝坊をする理由がしっかりわかっているときはいいのですが、理由がわからず昼近くまで寝ている・・・、という事態は避けたいですね。
平日の朝寝坊の場合は、まずは遮光カーテンを開けるとか、「光」で起こすことを意識してみてください。その次は「生活音」を出してみるといいでしょう。親が「朝だよ。起きよう!」と声をかけるのは最後です。
子どもが朝寝坊をしてしまった日は、ママ・パパに「今日はいつもより早い時間に寝かせよう」と意識してもらえたらと思います。たとえば、思いきって「今日は家族全員20時に寝よう!」と行動してみるのも手ですよ。
配信: たまひよONLINE