子どもの集中力や記憶力を高めたい!幼児期から脳を育む遊びや経験について、脳医学者が解説します

子どもの集中力や記憶力を高めたい!幼児期から脳を育む遊びや経験について、脳医学者が解説します

どうすれば子どもの集中力や記憶力が高まる?という「たまひよ」アプリユーザーから寄せられた声とともに、脳医学の専門家である東北大学加齢医学研究所教授の瀧 靖之さんのアドバイスをお届けします。

気になる!子どもの脳を育むためどうすればいいの?

まず、「たまひよ」アプリユーザーから寄せられた声を紹介します。

◾️スキンシップ
「抱っこなどのスキンシップが脳の発達に良いと聞いたことかありますが、どの程度のスキンシップで効果があるの?」(つーくん)

◾️脳活になるスポーツは?
「脳科学の観点から、小さいうちから行うといいスポーツを知りたいです」(シャオリン)

◾️脳トレはある?
「赤ちゃん向けの脳トレを教えてほしいです」(mono)

◾️脳を発達させること
「子どもの脳の発達を促す方法を知りたいです」(ななみん)

◾️ひとり遊びは見守った方がいい?
「0歳の赤ちゃんがひとり遊びしている時は、かまった方がいいのか集中させるため泣くまでは見守った方がいいのか知りたいです」(ゆずまる)

子どもの集中力や記憶力を高める親のサポートは「一緒に楽しむこと」と専門家

子どもの集中力や記憶力を高めるために親ができることにはどんなことがあるのでしょう。脳医学者の瀧 靖之さんに聞いてみました。

「子どもに限らず、ママやパパ、祖父母世代でも、集中力や記憶力を高めることはできます。
これまで、脳は一度形づくられると、その時期をピークに衰えると思われてきましたが、いくつになっても脳のネットワークの機能を高めることが、これまでの研究でわかってきました。

記憶力や集中力に関係する海馬では、神経細胞そのものが新しく生まれるという報告もあるほどです。脳には、新たな環境や経験したことによってどんどん変化する可塑性という働きがあるかため、何歳になっても人は能力を高めることができるのです。

では、子どもの記憶力や集中力を高めるに親ができることというと、脳トレというよりは、いろいろなことに興味・好奇心、親しみを持ってくれるよう親が働きかけることです。
魚や動物、電車、料理、ダンス、スポーツなど子どもが好きを見つけて興味を持ったら、動画や絵本だけでなく、実際に本物を見たり、触れたりする経験ができる場所に連れ出し、子どもの世界を広げましょう。
例えば、魚が好きなら絵本だけでなく、水族館に実際に見に行くということです。できれば、出かける前に魚について親子で一緒に調べておくといいですね。知識がないまま行くよりも、事前に調べておくだけで興味・好奇心がどんどん広がり、もっと知りたいと思うようになっていきます。

記憶をつかさどる『海馬』と、ワクワクするような感情をつかさどる『扁桃体』は密接に関係しているため、楽しい状態を作ると、将来、勉強もより覚えやすくなるという報告もあります。

とはいえ、中には、子どもの好きな虫やスポーツは苦手というママやパパもいると思います。そんな時は、自分が好きなことや、語学やスポーツなど学ばせたいことを一緒に楽しむという方法もあります。英語を学ばせたいなら、動画やアプリ、絵本などで子どもと一緒に勉強をしてみてはいかがでしょう。
幼児期の遊びや学びの大切なポイントは、親自身も楽しむことです。子どもは、大人の真似をしながら成長していくので、親が楽しそうにしていれば、子どもは自然と親から楽しさを学んでいくからです。

日々の家事や育児、仕事に忙しくなかなか時間が取れない家庭もあると思いますが、5〜10分でいいので親子で一緒に楽しむ時間をつくりましょう。子どもにとって、親子で夢中になる体験や時間は、集中力や記憶力を高める原動力になっていくはずです」(瀧 靖之さん)

親子で一緒に楽しむことが、集中力や記憶力を高める秘訣なのですね。一緒に楽しめる遊びや学びを探してみるのもいいかもしれません。
(取材・文/酒井範子、たまひよONLINE編集部)

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2024年5月の情報で、現在と異なる場合があります。

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