〈しょうゆは最も汎用性の高い調味料、インバウンドは価値見直し最大のチャンス〉
日本醤油協会(日醤協)・全国醤油工業協同組合連合会(全醤工連)は9月27日、都内ホテルで「醤油の日の集い」を開催し、第51回全国醤油品評会の農水大臣賞5点、農水省大臣官房長賞10点の発表・表彰式などを行った。司会はしょうゆ大使としておなじみの、TBSテレビアナウンサーの安住紳一郎氏が務めた。
堀切功章・日醤協会長(キッコーマン会長)は開会にあたり、年初の地震と9月の集中豪雨で被害を受けた能登地方の早期復興を祈念した。
その上で、「しょうゆは間違いなく、数ある調味料の中でも、最も汎用性の高い調味料の一つと考えている。その市場は日本国内にとどまらず、広く海外においても拡大が続いている。その中で、つゆ、たれ、ドレッシングなどを含めて、日本各地の多様な個性を持つしょうゆ、しょうゆ加工品にも関心は確実に高まっている。日本には四季折々に姿を変える美しい自然と、世界の人々を魅了してやまない豊かな食文化がある。過去最多の勢いで増加するインバウンドの皆様が、日本を訪れている今こそ、日本の食とそれを支えるしょうゆの価値を、国内でも再度見直していただく最大のチャンスと考える」との認識を示した。
続けて「色、味、香りのバラエティに加え、原料や製法へのこだわり、その背景にある歴史や文化、こうした情報を業界として正確にしっかりと発信していくことが、何より大切なことと考える。大手企業から家族経営の事業者まで、しょうゆ事業者が年に一度集う、『醤油の日の集い』が、しょうゆ業界の価値向上と、しょうゆが持つ豊かな多様性にふれる良い機会となり、しょうゆの魅力の発見につなげていただければ
幸いだ」と述べた。
〈農水大臣賞は木村醤油店・山形屋商店・イチビキ第三工場・西村商店・ヤマシン醸造〉
第51回全国醤油品評会の農水大臣賞5点と、農水省大臣官房長賞10点の受賞者は次のとおり(表記は銘柄、社名、都道府県名、品種の順)。出品数は288点だった。
[農林水産大臣賞]
△味の司(木村醤油店・山形、濃口)
△ヤマブン本醸造特選醤油(山形屋商店・福島、同)
△食品添加物無添加国産しょうゆ(イチビキ第三工場・愛知、同)
△スーパーミエマン(西村商店・三重、同)
△ヤマシン(ヤマシン醸造・同、しろ)
[農林水産省大臣官房長賞]
△キジョウ(亀兵商店・宮城、濃口)
△丸大豆(今野醸造・宮城、同)
△県醤協こいくち(福島県醤油醸造協同組合・福島、同)
△丸大豆醤油(星醸造・福島、同)
△キッコーツル特選醤油(内池醸造・福島、同)
△宝醤油むらさきの里(宝醤油・千葉、同)
△まるさ特選本醸造(佐伯醤油・広島、同)
△特選うすくちしょうゆ(ヒゲタ醬油・千葉、淡口)
△甘露(ニシキ醤油・奈良、たまり)
△大地と海(森山醸造食品・福岡、再仕込み)
〈大豆油糧日報2024年10月4日付〉
配信: 食品産業新聞社ニュースWEB