初めての育児を、知らない土地で一人でこなすのは大変ですよね。今回は、30代の1児のママさんが、ご近所さんの気遣いにほっこりさせられたというエピソードを紹介します。
知らない土地でのワンオペ育児。毎日の日課は公園に行くことだけ
(※写真はイメージです)
夫の転勤で地元を離れ、知らない土地で初めての育児をすることになりました。
夫は仕事が忙しく、朝は子どもが起きる前に出勤し、夜は子どもがすっかり熟睡した頃に帰宅するのでほぼ顔を合わせることもないような状態でした。
働きづめの夫はもちろん疲れていましたが、常にワンオペで育児家事に追われていた私も、少々疲れ気味だったかもしれません。
長男が1歳半を過ぎた頃、近所の公園を訪れるのが日課になりました。
住宅地の中の小さな公園で、遊具も少ししかなかったのですが、小さな子どもと午前中ほんの30分ほど過ごすのにはちょうど良かったのです。
ただ、1歳を過ぎ体力がついてきて、日中に寝ている時間は少なくなり、動きたい盛りの息子は目が離せません。そのくせまだ意志疎通がしっかりできるわけでない息子と2人きりで過ごす一日は、とても長く感じました。
おばあさんがくれたもの
(※写真はイメージです)
ある日、日課の公園から帰ろうとすると、向かいのお宅の窓から突然声をかけられました。
バギーを押しながら近寄ると、高齢の女性が「これ子どもさんと食べなさい、あなたにもね」と、みかんとウエハース菓子をくださいました。
子どもを連れていると、ときどき、見知らぬ方からお菓子をいただくことがありましたが、「母親の私にもくれるんだ」と、なんだかくすぐったい気分になったことを覚えています。
(※写真はイメージです)
その女性は次の日もその次の日も、私たちが公園に行くたびに声をかけてくれ、おやつをくれました。子どもの分と、もちろん私の分も。
子どもにはいつも「いい子だね」と言ってくださり、私にも「甘いもの食べなさいよ」と言うのです。
そんなやり取りが続くうちに、こちらからも旅行のお土産やちょっとしたお花などを渡すようになりました。
初めて暮らす土地で、やっと他愛ない会話を交わせる知り合いができたのです。「誰かに気にかけてもらえている」と思えるだけで、不思議なくらい孤独感はなくなりました。
我が家はその後、また引っ越してしまったので、もう会えなくなりましたが、今でもとても感謝しています。
私たち親子を気にかけてくれて、本当にありがとうございました。
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※本記事は、編集部に寄せられた実際のエピソードを元に再構成しています。
配信: マイナビ子育て