3、実は利用制限がある!法テラスの条件をチェック
債務整理で法テラスを利用すると大きな経済的メリットが得られることがおわかりいただけたと思います。
ただし、法テラスの民事法律扶助は誰でも利用できるわけではありません。
利用できるのは、次の3つの条件をすべて満たす場合です。
(1)収入
まず、民事法律扶助を利用できるのは、本人と配偶者の月収(賞与を含みます。)の合計額が次の表に掲げる基準以下の場合です。
一般の地域にお住まいの方
一級地にお住まいの方
単身者の場合
182,000円
200,200円
2人家族の場合
251,000円
276,100円
3人家族の場合
272,000円
299,200円
4人家族の場合
299,000円
328,900円
以降、家族が1人増加するごとに30,000円ずつ加算されます。
ただし、家賃や住宅ローンの支払いがある場合は、次の表に掲げる金額を上限として、上の表の基準額に加算できます。
一般の地域にお住まいの方
東京都特別区にお住まいの方
単身者の場合
41,000円
53,000円
2人家族の場合
53,000円
68,000円
3人家族の場合
66,000円
85,000円
4人家族の場合
71,000円
92,000円
ただし、医療費や教育費、職業上やむを得ない出費等の負担によって生計が困難と認められる場合は、以上の基準額を上回る収入があっても民事法律扶助を利用できる場合があります。
(2)保有資産
収入とは別に、本人と配偶者の保有資産の合計額が次の表に掲げる金額以上あるときは、民事法律扶助を利用することはできません。
単身者の場合
180万円
2人家族の場合
250万円
3人家族の場合
270万円
4人家族の場合
300万円
ただし、医療費や教育費、職業上やむを得ない出費等の負担によって生計が困難と認められる場合は、以上の基準額を上回る保有資産があっても民事法律扶助を利用できる場合があります。
(3)勝訴見込み
3つ目の条件として、「勝訴の見込みがないとはいえないこと」が必要とされています。
債務整理の場合は、弁護士や司法書士に依頼することによって借金問題を解決できる可能性があればこの条件を満たします。
4、法テラスで債務整理すると「時間」と「弁護士」は運任せ
法テラスで債務整理をすることには、デメリットもあります。
次の2点において、通常の法律事務所に依頼する場合よりも不利になってしまいますので、ご注意ください。
(1)審査に「時間」がかかる
前記「1」でご説明したように、法テラスを介して弁護士に依頼する場合には、法律相談を利用してから実際に依頼するまでに時間がかかります。
正式に依頼する前に民事法律扶助を申し込み、利用条件を満たすかの審査を受けなければならないからです。
審査にかかる時間は地方事務所によって異なりますし、事案の内容や審査案件の混み具合によっても異なりますが、1~2週間ほどかかる場合が多いようです。
その間は原則として弁護士が債務整理手続きに着手することはありませんので、迅速に解決したい場合は不向きです。
(2)担当する「弁護士」は債務整理の経験が少ないことも
もうひとつのデメリットとして、法テラスでは相談・依頼する弁護士を選べないということが挙げられます。
そのため、債務整理の経験が少ない弁護士が担当となる可能性も十分にあります。
債務整理案件は他の法律トラブルに比べると事務手続きの要素が多いものの、弁護士なら誰もが最高の結果を出せるとは限りません。
落とし所を把握し、無駄のない手続きを行うには、やはり豊富な経験が必要です。
配信: LEGAL MALL