『サンキュ!』2018年3月号で断捨離に出合い、熱烈なひでこファンになった山本ゆりさんは「先生の本をボロボロになるまで読み込んでいるのに、物が捨てられません……!」。そんなゆりさんに対し、ひでこ先生の断捨離アンサーは?
サービス精神満載の料理本は自信のなさから生まれた
もらった物はとくに捨てられない。バチが当たるのが怖いんです。――ゆり
ダラダラ持ち続けられている物は不憫。断捨離で弔うのが物への誠意よ。――ひでこ
ひでこ: ゆりさんのレシピ本は累計800万部近く売れているとか。大人気ですね!
ゆり:ありがたいです。私自身が不器用、面倒くさがりで、でもおいしい物を食べたい。そんな私でも作る気になれて、失敗なく出来るレシピだけを載せています。手を抜いて失敗しがちなことや、反対に手抜きしても平気なことを先回りして書いているところも、私の本の特徴かもしれません。
ひでこ:レシピの数も実用情報も多くて、本が分厚い。売れている理由がわかるわ。
ゆり:私には、少ないレシピで満足してもらえるほどの世界観はありませんし、そもそもレシピが少ないと、買ってくれた人が物足りないだろうと思ってまして。Q&Aにコラムに付録と、本にあれこれ詰め込むのは、読んで楽しんでほしいとか、便利!こんなに載ってる!と喜んでほしいという気持ちとともに、自分に対する自信のなさもあるんです。たくさん入れないと不安で。
ひでこ:世界観よりボリューム・楽しさ・お役立ち……明解ね。得意なこととそうでないことを見極めて、得意なことをとことん頑張る。ゆりさんはきわめて断捨離的よ。
ゆり:わぁー、ひでこ先生に褒められました!
断捨離はダイエットに似ている!?
ゆり:家は断捨離とはほど遠いです。物が多く、家の中はぐちゃぐちゃ。いつも探し物をしてます。
ひでこ:物を減らすには、物を分別する習慣をつけること。要る物と要らない物に「分」けて「別」れるのが「分別」。そして「分ける」とは、これは要らない物だというのが「分かる」こと。不要だと分かって、分けて、別れる。これを繰り返すうちに、物は自然に減るわ。
ゆり:やってみます。そういえば、棚で横積みになっていた本を分別して読まない本を手放したとき、数冊分の空間ができただけで気分がよくなりました。
ひでこ:小さな断離捨でも、やったことは裏切りませんからね。だから小さなスペースから始めるのがいいの。財布の中、引き出しひとつなどで小さな断捨離を日常的に繰り返す。最初のうちは大して変わらない気がするけど、続けていればある日突然、転換期が訪れるわ。
ゆり:ダイエットみたいですね!最初のうちはぜんぜん体重が減らなくて、「こんなんやって、意味あるん?」って思いますが、そこを諦めずに続けていると、ある朝、体重計に乗ったらストンと体重が落ちている。
ひでこ:まさしく。そこで大事なのは、捨断離して生まれた空間を見て、「気持ちいい」と感じること。その感覚を繰り返し体験することで、不要な物を自然に手放せるようになりますよ。
配信: サンキュ!