にんにくの食べすぎはカラダによくない……とはよく聞く話ですが、なぜ悪いのか理由をご存知でしょうか?
にんにくに含まれる成分には、役立つ作用を持つ反面、とり方を間違えてしまうと体調をくずす危険性もあるのだとか!
管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、にんにくの食べ方によって体にどのような影響が及ぶのかと、1日に食べてもいい量の目安について紹介してもらいます。
免疫力アップや疲労回復に!にんにくを食べる「メリット」
強烈な風味を持ち、肉の臭い消しや薬味として利用される「にんにく」。
生の状態でにんにくに多く含まれているアリインという成分は、すりおろしたり刻むなどするとアリシンへ変化します。アリシンはにんにくの香りや辛みのもとでもあり、さらに調理中に分解され、さまざまな成分へと変化して次のような作用が期待できます。
・糖質をエネルギーに変えるビタミンB1の吸収率を高める
・ビタミンB1の体内での持続性を高める
・カビ、細菌、寄生虫などを殺菌する
・血栓がつくられるのを防ぐ
・血中コレステロールの増加を抑える
・インスリン、胃液の分泌を助けて食欲を増進させる
・免疫機能を向上させる
このようなことから、古代エジプト時代にはすでに薬や強壮剤として使用されていたのだとか。上手ににんにくをとり入れることで、生活習慣病を予防したり、健康増進に役立てることができますよ。
なお、無臭にんにくやジャンボにんにくと呼ばれているものには、アリインがあまり含まれていません。見た目や味がにんにくに似ていますが、別の野菜であることが多いため、本記事では一般的なにんにくについてのみ言及します。
胃腸障害や肌荒れも?にんにくを食べすぎる「デメリット」
多くのメリットが得られるにんにくですが、過剰に摂取したり体調によっては思わぬデメリットが生じることもあります……。
●腹痛や下痢などの不快な症状を招く
にんにくには強い殺菌作用がある反面、その刺激性が胃の粘膜を傷つけたり、腸内細菌を死滅させてしまうことも……。
腸内細菌は、菌の種類ごとにバランスを保つことで腸内環境を最適な状態に整えてくれる役割があります。ところが、殺菌作用を受けるとそのバランスが崩れ、腹痛や下痢などを引き起こすことが考えられます。
●肌荒れを起こす
胃や腸が荒れてしまうと、必要な栄養素の消化・吸収率も低下しやすくなることに……。
とくに、皮膚の健康維持に必要なビタミンB群などが不足することに加え、一部のビタミンは腸内細菌によってつくられているため、殺菌作用によって腸内細菌が減ってしまうとビタミン不足に拍車がかかり、肌荒れを起こす可能性があります。また、表面の皮膚だけにとどまらず、口の中などにも炎症がみられることもあるので注意しましょう。
●口臭・体臭が強くなる
にんにくの強烈なにおいは食べた直後だけでなく、消化されて血液中に入った後も皮膚や肺から排泄されることで長時間の口臭や体臭に繋がります。
大さじ1杯のにんにくのにおい成分が代謝されるまでに、約16時間かかるともいわれているのだとか。さらに、新陳代謝が悪い人はより長い時間がかかることも考えられます。
ちなみに、切らずに丸ごと加熱したにんにく(ホイル焼きなど)はアリシンによるにおいを感じませんが、アリインが体内でにおい成分に変わり同じように体臭の原因となるため注意が必要です。
配信: サンキュ!