意外と知らない「ロキソニン」の副作用があることをご存じですか? 長期服用のリスクや飲まない方がいいケースについても、「薬剤師」の岡村さんに解説していただきました。
≫痛み止めの飲みすぎに注意 医師が副作用や効かなくなる危険を解説
監修薬剤師:
岡村 奈津子(薬剤師)
薬学部卒業後、大学病院薬剤部での研修を経て、病院薬剤師、ドラッグストア、調剤薬局と様々な職種を経験。現在は地域医療や在宅ケアに力を入れている。適切な情報をより多くの方へ届けるため、執筆活動中。
編集部
ロキソニンにはどのような副作用がありますか?
岡村さん
ロキソニンの副作用で有名なものは、消化器症状といわれる胃痛、吐き気、腹痛、食欲不振などの症状です。悪化すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍などのリスクにもなります。わずかですが、むくみ、眠気、口内炎などの報告もあります。最近では大腸、小腸の閉塞、狭窄(腸閉塞)の副作用の報告が新たに追記されました。
編集部
ロキソニンの重大な副作用はなんですか?
岡村さん
ロキソニンの成分によるアレルギー、アスピリン喘息と言われる喘息発作、急性腎障害などがあります。過去に痛み止めや解熱剤でアレルギーや副作用が出たことがある人や、喘息がある人、腎機能に指摘を受けたことがある人は事前に医師または薬剤師に相談しましょう。
編集部
ロキソニンは毎日服用すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍になりやすくなるのでしょうか?
岡村さん
ロキソニンを含むNSAIDS(エヌセイズ)と呼ばれる解熱鎮痛剤は消化器の副作用に注意しなくてはなりません。NSAIDSを服用すると薬の影響で胃のバリア機能が低下し、副作用として消化器症状が出現します。連用すると、常に胃のバリア機能が低下している状態が続くため、さらに症状が悪化していきます。ロキソニンはプロドラッグと呼ばれる、胃の副作用を軽減するように改良されている薬剤です。それでも長期連用になると、副作用は出やすくなりますので注意が必要です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを防ぐためにも、胃痛や吐き気、食欲不振など、消化器症状が出現したら服用を中止して受診するようにしましょう。
編集部
腎機能が低い場合、ロキソニンは飲めますか?
岡村さん
腎機能が低いと指摘されたことがある人は自己判断での服用は控えましょう。ロキソニンは体内でプロスタグランジンの生成を抑制することにより痛みや炎症に効果を発揮します。しかし、このプロスタグランジンが低下することにより、腎臓の血流が減り、腎臓に負担をかけてしまいます。高齢者も一般的に腎機能が低下することが多いので、注意が必要です。
※この記事はMedical DOCにて【【薬剤師が教える】ロキソニンは毎日服用しても大丈夫? 長期間服用するとどうなる?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC