親が「学校へ行け」「勉強しろ」と言ったことは一度もない。祖父が「あなたの育て方は正しいと思わない」と咎めても母が大事にしたこと

親が「学校へ行け」「勉強しろ」と言ったことは一度もない。祖父が「あなたの育て方は正しいと思わない」と咎めても母が大事にしたこと

小学校入学前に自ら「不登校」を決断した我が子に、両親はどのように向き合ったのでしょうか……?

小・中学校9年間、たったの1日も通学せず、高校からピアノを始めて“藝大”東京藝術大学に入った作曲家の内田拓海さん(26歳)。6歳のときに自ら「学校に行かない!」と宣言し、ホームスクーラーとなった内田さんが考える「自分で学ぶ力」「自分の生きる道」の新しい見つけ方&育て方とは……?

今回は著書『不登校クエスト』(飛鳥新社)より、

・「学校へ行け」「勉強しろ」と言われたことは一度もない

をお届けします。

「学校へ行け」「勉強しろ」と言われたことは一度もない

近所の人や親戚、周りからは「変わった子どもで大変だな」という目で見られていたかもしれません。母は亡くなった父方の祖父からも、厳しい言葉を投げかけられていたそうです。

「あなたの育て方は、私は正しいとは思わない」

※画像はイメージです

私が藝大に入学して、作曲家として歩み始めたことで、祖父も最後は認めてくれていましたが、そんなふうに、両親は周りからは色々と言われていたはずです。

それでも、母や父から、

「学校行きなさい!」

「勉強しなさい!」

と一度でも言われた記憶はありません。「学校、行ってみない?」と聞かれたこともありませんし、それどころか、私を心配するそぶりもありませんでした。本当は心配もしていたのかもしれませんが、それを私に見せたことはありません。私の不登校や教育方針を巡って、両親がケンカしているところも見たことがありません。

こう書くと、「教育に無関心な親」だと思う方もいるかもしれません。でも、教育的ネグレクトということではまったくなかった。

2023年12月、初開催した自身の“個展(コンサート)”でピアノ演奏。

「自分の好きなことをやりなさい」

「自分のやりたいように生きなさい」

特に母は、それが子どもにとって大事なことだと考えていたのです。

父のほうは、どちらかと言えば私の教育に積極的には関わってこないタイプの人でした。でも普通の親子のコミュニケーションが無かったわけではなくて、幼い頃は近くの海や公園へ一緒に出掛けたりもしていました。ただ今思うと、父も内心では気にかけていたのかもしれません。

2024年9月、合唱指揮者で音楽家の松下耕さんと、定期演奏会で。

なんでもやらせてくれた習い事

一度だけ、私が10歳か11歳の頃、父が「本、読んでみる?」と言って、児童文学作家の高木敏子さんのノンフィクション『ガラスのうさぎ』を買ってきてくれたことがありました。中学生になった後、「少し身体を動かしたほうがいいんじゃない?」と、知人がやっている道場へ連れていって、空手に通わせてくれたのも父です。

※画像はイメージです

両親はとにかく、私が「好きなことを、やりたいことをできるように」と惜しみなくサポートをしてくれました。本や図鑑も、私がなんとなく興味がありそうなものを買ってくれたりしていましたし、私が「やってみたい」「行ってみたい」といった通信教育や習い事は、たいていふたつ返事でやらせてくれました。「こういうことができる場所があるよ」と勧めてくれることもありました。藝大受験を決心してからは、試験科目の作曲などのレッスン費のほぼ全額も、浪人期間を含め4年間支払ってくれました。もちろん藝大の入学金や4年分の学費もです。

こう書くと、内田家が裕福な家庭だと思われるかもしれませんが、冒頭にも書いた通り決してそんなことはありません。私自身、大学進学のために奨学金を借りていますし、両親はその学費を支払うために国の教育ローンから数百万円も借りています。

※画像はイメージです

また、振り返ると、子ども心に「結構大変だった」という記憶はたくさん出てきます。父は何度も転職を繰り返していて、子どもが私を含めて3人。母も仕事を持ってはいましたが、収入の不安定な自営業で、家計はかなりギリギリだったはずです。月に1回のマクドナルドが、ささやかな贅沢というような生活ぶりでした。

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この続きは、書籍でお楽しみください。

『不登校クエスト』/飛鳥新社

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※本記事は、『不登校クエスト』著:内田拓海/飛鳥新社 より抜粋・再編集して作成しました。

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育児をしている共働き夫婦のためのメディア「マイナビ子育て」。「夫婦一緒に子育て」をコンセプトに、妊娠中から出産・産後・育休・保活・職場復帰、育児と仕事や家事の両立など、この時代ならではの不安や悩みに対して役立つ情報をお届けしています。
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