初めての土地に引越し早々、ワンオペ育児をすることになった40代女性のCさん。ある日赤ちゃんを連れて買い物に行くと、嫌味を言われて落ち込んでしまったそう。泣きそうになっているCさんを助けてくれたのは……?
はじめての土地でワンオペ育児に奔走
(※写真はイメージです)
今から9年前、息子が生まれたばかりの頃です。
当時は夫の転勤で知らない土地に移り住んだばかりで、知り合いがまったくいない中での出産、そして新生児のお世話が始まりました。
新天地での夫は急に忙しくなってしまい、朝早く出勤しては夜遅くに帰宅する生活がスタート。さらに出張も頻繁にあり、家を空けることも多かったため、基本的に育児はワンオペ状態でした。
出産直後は実家の母が手伝いに来てくれることになっていたのですが、父とやっている自営業でトラブルが発生し、予定よりかなり早く帰ることに……。不安なまま新生児とほぼ2人きりの生活が始まりました。
「病気になったらどうするのよ!」
(※写真はイメージです)
産後一ヶ月は母子ともに家の中でゆっくりしていたほうがいいと言いますが、日々の買い出しも必要なので、そういうわけにもいきませんでした。
まだ自分の体調も戻らず、生まれたての赤ちゃんを連れて外に出るなんて心配で仕方ありませんでしたが、新生児を連れてスーパーへ必要な物を買いに行ったときのことです。
袋詰をしていると、近くにいた年配の女性に「あらぁ~、こんな小さい赤ちゃんを外に連れ出すなんてダメよ? 病気になったらどうするのよ!」と言われてしまい……。
そんなことは言われなくてもわかっているし、この子に何かあったら……と私が一番心配しているのに……。なにか反論するような気力もなく、泣きそうになっていると、あとからきた別の女性が「まぁ、小さい赤ちゃん!」と近づいてきました。
(※写真はイメージです)
また嫌味を言われるのかと思わず身構えましたが、その方は「大変でしょ? 私が赤ちゃん抱っこしてようか? それか袋詰めをしたほうがいいかな?」と言ってくださいました。
私は泣きそうな顔を見られるのが嫌だったのと、袋詰めももう終わりそうだったので、会釈をして足早に車に戻ってしまいました。それでも確かに私はあのとき、その女性の声がけに気持ちが救われたと感じたのです。
今思い返すと、あのとき誰かを頼ることも、きちんとお礼を言うことも大事で必要だったなぁと思います。公的な機関に相談しても良かったはずなのに、自分で全部やるしかないと張り詰めていました。
それからも息子が小さいうちは大変なことがたくさんありましたが、今でもあのときのことは忘れられません。
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※本記事は、編集部に寄せられた実際のエピソードを元に再構成しています。
配信: マイナビ子育て