小学生の「スクールカースト」はどう決まるの?

第1回 小学生の「スクールカースト」問題
夏頃になると、クラスのなかにもすっかりできあがっていることの多い、子どもたちの「スクールカースト」問題。

スクールカーストとは、おもに中学・高校のクラス内にできるヒエラルキー(階層性)のことだが、小学校のときから少しずつその原型のようなものが見られると聞く。

それって本当? 『スクールカーストの正体 キレイゴト抜きのいじめ対応』著者で、公立中学教師の堀 裕嗣先生に聞いた。

「格付け自体が必ずしも悪いものではありません。会社や職員室にも格付けはあり、小学生でも、うまくいっているクラスにも格付けはあります」(堀先生 以下同)

ただし、中高生の「格付け」が、おもにコミュニケーション能力を基準に形成されるのに対し、小学生の頃のスクールカーストは、低学年・中学年と、高学年とで、質が違っていると堀先生は指摘する。

「低学年の頃には基本的に、頭の良し悪しやルックスの良し悪しよりも、元気で体が大きい子が上位になりやすい傾向があります」

特に低学年の頃は、生まれ月による差が大きい。3月生まれなどに比べて4月生まれは体も大きく身体能力も高く、発達が早いため、格付け上位になりやすいそう。

「また、4月生まれなど発達の早い子のほうが、頭の回転が速く、コミュニケーション能力も高く、面白いことが言える傾向などもあります。そのため、先生が頼りにすることもあり、先生との関係性から学級での格付けができあがるケースも多いんです」

これは、ママたちが子どもの時代から、変わらない傾向だろう。しかし、その後小学校高学年の2年間でヒエラルキーの形成には変化が現れ、その流れは中学年でも引き継がれると堀先生は話す。

学校のクラスの様子

●高学年になると、教師次第で格付けが悪い方向へ進むケースも

「高学年は成長前期であり、大人に近づいていく子が徐々に増えていきます。たとえば、服装や外見、何よりもコミュニケーション能力によって大人っぽい子たちがヒエラルキーの上位を占めるようになってきます」

この傾向は、先生の影響力が弱いと、クラス内の格付けがさらに悪い方向に進んでしまうのだとか。

「高学年になると、先生を下に見る子が出てきます。先生が児童をまとめられず、『先生よりも力を持っている子』をうまくおさえられないと、その格付けにもとづいてイジメにつながる可能性もあるのです。さらには、学級崩壊につながることもあります」

中高生になって作られる「スクールカースト」の原型は、小学校高学年2年間のうちに作られていく。特に学級崩壊になりうる芽、先生の話をまったく聞かない子がいるなどの事態が見えた場合には、親も警戒する必要がありそうだ。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

堀裕嗣
堀裕嗣
札幌市立中学校教諭
北海道教育大学卒。「研究集団ことのは」代表・「教師力BRUSH-UPセミナー」代表・「実践研究水輪」研究担当・「日本文学協会」・全国大学国語教育学会・日本言語技術教育学会など。
北海道教育大学卒。「研究集団ことのは」代表・「教師力BRUSH-UPセミナー」代表・「実践研究水輪」研究担当・「日本文学協会」・全国大学国語教育学会・日本言語技術教育学会など。
スクールカーストの正体―キレイゴト抜きのいじめ対応
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いじめの構造
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いじめっ子といじめられっ子の境界には何があり、なぜいじめが起こるのか。いじめのメカニズムを明らかにし、対処法を提示した一冊。
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