膿胸の治療
膿胸の治療は、感染を治すための抗菌薬の使用や、膿を取り除くためのドレナージ(排液)です。
場合によっては手術が必要になることもあります。
抗菌薬の使用
検査で特定された細菌に対して効果的な抗菌薬を投与し、体全体の感染を抑えます。
胸腔ドレナージ
感染が起きている胸の中に細い管を入れて、膿や細菌を体の外に排出する治療法です。
胸の中を生理食塩水で洗浄したり、直接抗菌薬を注入したりすることもあります。
外科療法
治療がうまくいかない場合や、病気が慢性化してしまった場合は、外科手術が必要になることもあります。
手術では、問題となっている胸膜を取り除いたり、膿がたまりにくくするための小さな窓を胸に作ったりします。
開窓術
肋骨を一部取り除き、胸壁を外に開放して大気にさらす方法です。
肺剥皮術(はいはくひじゅつ)
厚くなっている一部の胸膜を取り除き、肺がしっかり膨らむようにする方法です。
重症例では、問題となっている胸膜や肺を取り除く胸膜肺切除術を行うこともあります。
胸郭形成術
厚くなった胸膜や肋骨の一部を除去し、膿がたまっている胸腔をつぶす治療法です。
膿胸になりやすい人・予防の方法
高齢者や糖尿病の人、免疫力が低下している人は、細菌が感染することで膿胸を発症することがあります。
膿胸を予防するためには、以下の感染対策が大切です。
手洗い
外出先から帰ったら、石鹸と水でしっかり手を洗いましょう。
必要に応じて、アルコール消毒液なども活用してください。
人ごみを避ける
人が多く集まる場所を避けることにより、細菌やウイルスの感染を予防できます。
特に風邪やインフルエンザが流行している時期は、人混みを避けることで感染リスクを減らせます。
免疫力を高める
免疫力を高めるためには、適度な運動をして体力を維持したり、十分な睡眠をとって疲れをためないようにしましょう。
栄養バランスの取れた食事を心がけることも、体の抵抗力を高められます。
口腔ケア
口腔ケアによって口の中を清潔に保つことで、細菌やウイルスが体内に入りにくくなり、感染症のリスクを減らせます。
定期受診
定期的に医師の診察を受け、健康状態をチェックすることが重要です。
特に高齢者や持病のある方は、早期発見と早期治療が予防につながります。
関連する病気
慢性膿胸
有瘻性膿胸
肺化膿症
肺結核
参考文献
一般社団法人日本呼吸器学会G-02 膿胸 – G. 胸膜疾患
日本呼吸器外科学会膿胸治療ガイドライン
配信: Medical DOC
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