監修医師:
大坂 貴史(医師)
京都府立医科大学卒業。京都府立医科大学大学院医学研究科修了。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・糖尿病・代謝内科学講座 客員講師を務める。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医。
胆管炎の概要
胆管炎は胆汁の通り道である胆管で細菌感染がおこり、胆汁がうっ滞して細菌が身体中にばらまかれることによる重症感染症で、感染症のなかでも死亡する人が比較的多い疾患です。
発熱・黄疸・右上腹部痛の症状が一般的で、重症化すると意識障害やショック状態に陥ることもあります (参考文献 1) 。
早期治療が非常に重要で、抗菌薬投与で細菌感染や炎症のコントロールをするほか、感染源となっている胆管に溜まった胆汁を外へ流すドレナージの2つの治療法が軸になります (参考文献 1) 。
胆管炎の原因
食べ物を食べた後は栄養を吸収するために消化酵素の力を借りますが、その中でも重要な役割を担うものに胆汁があります。胆汁は肝臓で作られた後、胆嚢で濃縮され、胆管を通って消化管の中へ排出、食べ物と混ざります。胆管炎は文字通り、胆汁の通り道である胆管で炎症が起こる病気です。
胆管炎の発生には①胆管内で細菌が増殖すること②細菌や炎症性物質が胆管から血流に逆流するような胆管内圧の上昇の2つの要素が重要とされています (参考文献 1) 。
胆管から血流やリンパ液の流れの中に細菌が逆流することによって、通常は無菌状態の血液の中に細菌が入りこむことによる敗血症を引き起こし、重篤な状態になることもしばしばあります (参考文献 1) 。
配信: Medical DOC