3、妻のモラハラ・DVで妻と離婚する方法
妻のモラハラやDVを理由として離婚するためには、単なる性格の不一致の場合とは異なるアプローチが必要となります。
(1)早期に別居する
妻からのモラハラやDVで苦しんでいる場合、程度にもよりますが、早期に別居することが得策である場合が多いです。
特に、モラハラやDVの程度がひどい場合には、心身に重大な危害が及ぶおそれがありますので、早急に別居した方がよいでしょう。
そこまでひどい場合でなくても、同居したまま離婚を切り出すとモラハラやDVがエスカレートする可能性があります。
スムーズに離婚するためには、まず別居して身の安全を確保し、それから離婚を切り出すことをおすすめします。
(2)第三者を介して話し合う
別居後に離婚を切り出した後も、妻が感情的になってしまい、冷静に話し合えない可能性があります。
手紙やメール・LINEなどで話し合うのもよいのですが、文字だけではスムーズに話し合いが進まないこともあるでしょう。
そんなときは、第三者を介して話し合うのが有効です。
まずは親族や友人などで信頼できる人に話し合いの仲介を頼むのもよいですが、モラハラやDVをする人は外面が良いことが多いので、第三者が丸め込まれてしまうおそれもあります。
そのため、離婚の話し合いは弁護士などの専門家に依頼するのがベストです。
(3)話し合いがまとまらなければ調停・離婚
モラハラやDVは、平和な夫婦生活の継続が困難な程度のものであれば「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法第770条1項5号)があるものとして法定離婚事由に該当します。
したがって、話し合いがまとまらない場合には離婚調停や離婚訴訟によって離婚することが可能です。
ただし、離婚訴訟では証拠がなければ主張が認められませんので、妻によるモラハラ・DVの証拠を確保しておくことが重要です。
4、妻の不倫・浮気で妻と離婚する方法
不倫や浮気で肉体関係があった場合は「不貞行為」(民法第770条1項1号)として法定離婚事由に該当しますので、話し合いで合意ができなくても妻と離婚することが可能です。
ただし、以下の点に注意が必要です。
(1)証拠の確保が重要
妻が不倫や浮気の事実を否定する場合や、慰謝料を請求する場合には、証拠を確保しておくことが重要です。
不倫や浮気の証拠として有力なものは、主に以下のようなものです。
2人でラブホテルに出入りする写真
携帯電話やスマホ、SNSなどでのやりとりの記録
ラブホテルの領収書やクレジットカードの利用明細
GPSなどによる行動の履歴
妻や不倫相手の発言を録音や書面化したもの
これらの証拠を自力で確保するのは難しい場合もあるので、探偵に依頼したり、弁護士のアドバイスを受けることが有効です。
(2)慰謝料の相場を知る
妻の不倫や浮気が原因で離婚する場合は、慰謝料の請求が可能です。
ただし、感情にまかせて高額の慰謝料を請求しても認められず、話し合いがこじれる可能性が高いです。
不倫や浮気による離婚慰謝料の相場には50万円~300万円と幅があり、事案によって異なります。
ご自身のケースでどのくらいの慰謝料請求が可能かについては、弁護士に相談して確認してみるとよいでしょう。
(3)離婚協議は冷静に
相手が不倫や浮気をした場合の離婚協議では「許せない」「裏切られた」という気持ちが先走ってしまい、感情的になりがちなものです。
しかし、感情的になってしまうと話し合いが進みませんし、必要な主張をし忘れて離婚協議で不利になる可能性もあります。
不倫や浮気の証拠が確保できていれば調停や訴訟で離婚できますので、離婚協議では冷静に事実を指摘し、自分の希望を伝えることが大切です。
配信: LEGAL MALL