3、不倫相手との示談交渉を成立させるためのポイント
示談交渉は、自分と不倫相手がつとめて冷静に交渉のテーブルに付くことが大前提です。
さらにこちらが優位に交渉をするために、次のポイントを押さえておきましょう。
(1)不貞行為の証拠があることを伝える
示談交渉をこちら側に有利に進めるためにも、事前に不倫(不貞行為)の証拠を集めておく必要があります。
証拠は客観的に不倫と認められるようなものでなければなりません。
具体的には配偶者と不倫相手が二人でラブホテルに入っていく写真や、不貞行為そのものを録画・録音したファイルなどが客観的な不倫の証拠と認められます。
しかし、家庭や仕事がある人にとって有効な不貞行為の証拠を集めることは至難の業です。
本格的な不倫の調査は、弁護士や探偵事務所に相談されることをおすすめします。
(2)慰謝料の額を見直す
どれだけ不倫の証拠を突きつけても、相手の収入を遥かに超える高額の慰謝料を請求すれば示談交渉はまとまりません。
慰謝料の金額で折り合いをつけるためにはある程度の譲歩も必要です。
一般的に慰謝料の相場は結婚期間や子供の有無などを考慮して、数十万円~300万円とされています。
不倫の慰謝料に明確な目安などありませんが、金額にこだわりすぎて交渉決裂、調停や裁判になった場合は余計な時間も費用もかかってしまいます。
慰謝料の額を見直すだけで不倫問題を早期に、穏便に済ませられることを考えると、もっともベターな方法でもあるのです。
(3)対夫への対策を考える
もしもあなたが離婚をせず、不倫相手にだけ慰謝料請求をしたいと考えているケースにおいては、不倫した配偶者の存在を無視して進めることはおススメではありません。
特にあなたが妻で、不倫した配偶者が夫であるケースでは、夫を無視して不倫相手に請求をしても、夫がそれを知ったときにどのように対応するかを考えておかなければなりません。
というのも、夫の立場からすれば、不倫相手だけ金銭的な打撃を受け、自分だけ無傷(離婚をしない)でいることを辛いと思う男性は多いのです。そもそも不倫の慰謝料の法的性質は共同不法行為として「不真正連帯債務」となり、不倫をした当事者2名が連帯して損害の全額を支払う義務があるので、夫が不倫相手に対し、「君は払わなくていいから」と金銭的な負担を全てかぶろうとするケースも少なくありません。
このようになってしまっては、妻側の気持ちがおさまるどころか逆効果でしかありません。
そのため、このようなことにならないよう、対夫への対策をケースバイケースで考えていく必要があります。
(4)浮気・不倫問題に強い弁護士に相談する
示談交渉と言っても、大抵の人は不倫の慰謝料の金額について相手とやり取りした経験は無いはずです。
交渉の素人が示談を有利に進めることは、きわめて難しいと言わざるを得ません。
不倫の精神的苦痛の慰謝料を確実に請求したいのであれば、交渉のプロである弁護士に相談されることをおすすめします。
浮気・不倫問題に強い弁護士であれば、内容証明の書き方から示談書や慰謝料請求書の作成(公正証書)、不倫の証拠集めなどについてアドバイスしてくれることでしょう。また、あなたに代わって示談交渉もしてくれます。
まとめ
示談交渉には調停や裁判とは異なるメリットがありますが、最大のデメリットは配偶者と不倫した相手と直接会うことによる精神的な負担です。
実際に対面すると相手の態度が悪かったり、感情的になったりして交渉が上手くいかない場合もあるでしょう。
浮気・不倫問題に強い弁護士なら、慰謝料の相場や示談交渉が上手く行かなかったときの対処法などを相談できます。
無料相談が利用できる事務所もあるので、慰謝料の請求等で悩んだらぜひ利用されることをおすすめします。
監修者:萩原 達也弁護士
ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。
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