円満調停で夫婦関係を修復!知っておきたい8つのポイント

円満調停で夫婦関係を修復!知っておきたい8つのポイント

3、円満調停の流れ

では、実際の円満調停の流れを見ていきましょう。

申立てを行ってから調停が始まるまではおおよそ1ヶ月です。

家庭裁判所の混み具合にもよりますので、あくまでも目安にしておくといいでしょう。

(1)申立を行う

 最初に相手の住所地の家庭裁判所に必要書類を用意して円満調停の申立を行います。

申立書は裁判所を通して相手に送付されることに。

もしも、円満調停のことを知らなかった場合には、相手方は突然の裁判所からの呼び出しに驚くかもしれません。

事前に連絡ができるなら話しておくことをおすすめします。その方がスムーズに調停は進むことでしょう。

(2)調停日の連絡

申立を行ってから約2週間前後で調停日の連絡が入ります。

調停は平日の10時から17時に行われることになるでしょう。

もしも仕事をしている場合には、その時間は都合をつける必要があります。

調停の日程は、夫婦の都合では決められませんので、注意が必要です。

仕事はあらかじめ調整できる状態にしておいてください。

(3)調停開始

実際の調停日には夫も妻も参加する必要があります。

調停室に夫、妻、双方が交互に呼ばれますので、30分程度調停委員の質問などに答えることになるでしょう。

お互いの主張を聞きとり、調停委員が夫婦円満に導くための調停を主導していきます。

(4)質問されること

 実際の調停で調停委員が夫婦関係を確認するにあたり、夫にも妻にも質問する項目があります。

夫婦円満ではなくなった理由
相手のどこを直して欲しいのか
自分は何ができるのか
今後どうしていきたいのか

この4項目はほとんどの円満調停で質問されますので、あらかじめ自分の考えをまとめておくといいかもしれません。

円満調停は双方の意見を聞いて、調停委員がさまざまなアドバイスや提案をしてくれますが、ほとんどのケースでは一回の調停では決着がつきません。

それぞれ課題をもらって1回目は終了することでしょう。

(5)2回目の調停

2回目の調停で決着がつくケースも多いかもしれません。

それぞれの言い分を調整し、直して欲しい部分を直すなどの取り決めが行われます。

例えば、アルコール依存気味の夫であれば、「アルコールは飲まないようにする」などのこと。

もしも妻は金遣いが荒いのであれば、「決められた金額内で生活を行う」などになるでしょう。

お互いに納得できれば、それが調停での取り決めになります。

(6)調停成立となった場合

夫婦円満に向けての合意ができたなら、調停成立になります。

調停が成立なら、調停内容で書類が作成されることに。

ただし、調停内での取り決めは基本的にはあくまでも約束事であり、法的な拘束力は持ちません。

夫が約束を反故にし飲酒をしても訴えることはできないのです。

金銭面での取り決めのみ法的な拘束力を持つことになります。

例えば、家庭にお金を入れずにお酒を飲んでいた夫に対して、「生活費を1月に15万円入れること」などの調停内容であれば、その内容には法的な強制力があると考えてください。

その他、同居での家庭円満には時間がかかると考えられた場合には、しばらくは熟慮期間として別居を決める夫婦もいます。

これを別居調停といい、このケースでも調停成立です。

円満調停を進めていく中で、夫婦の考え方が著しく違う、相手が、頑なに離婚を望んでいる場合などにはそのまま離婚が成立するケースもあるでしょう。この場合にも調停は成立したことになります。

(7)調停不成立

 調停不成立とは、夫婦仲を修復することもできず、さらには、離婚の合意も得られない状態のことを指しています。

話し合いでも離婚が成立しないということは、離婚調停でも決着がつかないのと同じことです。

離婚したい側はそのまま離婚訴訟を起こす可能性が高いでしょう。

4、夫婦関係の修復に円満調停を選ぶメリット

夫婦関係の修復に円満調停を選ぶメリットがあるのでしょうか。

わざわざお金をかけて、仕事を休んでまで裁判所に赴かなければいけません。

それなりのメリットがなければ円満調停を選んだりはしないでしょう。

(1)冷静な状態で話し合うきっかけが生まれる

夫婦関係が破綻しかかっている場合には、夫婦が顔を合わせると喧嘩腰になってしまいますよね。

しかし、裁判所で第三者を挟んで話し合いをすることで、冷静な状態でお互いの本音を聞けることでしょう。

(2)親族や友人を交えての修復よりも公平性が保てる

また、お互いの親族や友人が間に入っての修復ではどちらか一方に有利になりがちです。

言いたいことがうまく伝えられないままに話し合いが終わる可能性があります。

しかし、円満調停であれば、最初に相手を入れずに調停委員に伝えたいことを言えるので、自分の本心がしっかり相手に伝わるでしょう。

そして、調停委員はどちらの知り合いでも味方でもないため、公平性が保てます。

(3)根本的な問題に気づける

夫婦間での話し合いでは、根本の原因にたどり着く前に、喧嘩になったり、どちらかに言いくるめられて終了してしまうケースがあるでしょう。

しかし、円満調停では夫婦仲が悪くなった根本の原因を突き止め、その解決策を提示する作業をしてくれます。

夫婦2人きりでは気がつけなかった不仲の大元に気がつけるのがメリットです。

(4)解決策も提示してくれる

そして、公正な目でどちらが何をしたらいいのかを提示してくれるのが嬉しいポイント。

夫婦間の話し合いで、「お酒を飲まないで」と言ったところで、「俺の勝手だろう」となってしまうケースもあるでしょう。

しかし、第三者から見ても、お酒を控えるのが解決策だと思われたなら、素直に合意できるかもしれません。

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