元ゲーム会社所属デザイナーで、現在はストーリー漫画をメインに執筆している吉良いと(@kilightit)さん。個人で作品を公開・販売するほか、商業誌にも作品を掲載するなど、精力的に活動している漫画家だ。
代表作「ようこそ亡霊葬儀屋さん」は、「このお話ほんとに好きです」「1度見た事あるはずなのに泣いてしまった」など、多くの読者に感動をもたらしている。
今回紹介するのは、吉良いとさんの代表作「ようこそ亡霊葬儀屋さん」。死んだ人の姿が視える葬儀屋こと、烏丸枢のもとにある日1件の依頼が届く。
「亡くなった姉に最後のメイクをしたい」。そう依頼してきたのはメイクの専門学校に通う19歳の女性、桜野すずめ。
烏丸枢は「お姉さんが亡くなったのはスピード違反が原因の交通事故です。顔が変形したお姉さんと向き合う覚悟はありますか?」とすずめの気持ちを確かめるが、「姉が死んだのは私のせいだから」と自分を責める桜野すずめの依頼を、結局は受けることに。
亡くなった姉、桜野ツバメは「妹にだけはヒドイ顔を見られたくなかった」と烏丸枢に詰め寄るものの、「あなたの依頼は叶えましたよ」と葬儀の場ですずめにある物を渡す。
姉の夢をそばで応援したかった妹の願いと、姉の死の真相。交差する姉妹の想いを紡ぐ烏丸枢の言葉。死んだ姉のすべてを受け止めることができた妹の涙に込められた意味とは。
作者の吉良いとさんに、この作品に対する思いを聞いてみた。
「初めて執筆したのは2018年の末ごろで、読切作品として描いた『読切版ようこそ亡霊葬儀屋さん』です。SNSに掲載したところ、ありがたいことに多くの反響をいただいたため、続きを描くことに決めました。設定に関しては、私自身が子どものときに故人への後悔を残していて。“もしあのとき、ああしていれば”を叶えてくれる存在がいたら、という思いから生まれたものです」
幽霊が視える葬儀屋を中心に、さまざまな人間ドラマが描かれる「ようこそ亡霊葬儀屋さん」。2019年1月にX(旧Twitter)へ投稿すると「Twitterの漫画で泣いたのは初めて」など多くの感想が寄せられ、そのあと少年ジャンプ+で連載がスタート。現在は「幽霊が視(み)える葬儀屋さん」として、個人で連載を続けている。
画像提供:吉良いと(@kilightit)
配信: Walkerplus