「高プロラクチン血症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「高プロラクチン血症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

高プロラクチン血症の治療

高プロラクチン血症の治療は、原因と症状の程度に応じて行われます。

下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)

薬物療法が基本となります。
第一選択薬はカベルゴリンで、週1回0.25mgから開始し、プロラクチン値に応じて漸増します(上限は1mg/回)。
ブロモクリプチンも使用されますが、副作用の観点からカベルゴリンが優先されます。
薬物療法に抵抗性の場合や副作用が強い場合は、手術(Hardy法)や放射線療法を検討します。

薬剤性高プロラクチン血症

可能であれば原因薬剤の中止や変更を検討します。
薬剤の変更が困難な場合は、症状に応じてエストロゲン療法やテストステロン療法を考慮します。

原発性甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモン製剤を投与し、甲状腺機能の正常化を目指します。

マクロプロラクチン血症

通常、治療は必要ありません。

その他の原因

各々の原因疾患に対する適切な治療を行います。

治療中は定期的にプロラクチン値を測定し、正常化を確認します。また、腫瘍性病変がある場合は、定期的なMRI検査で腫瘍サイズの変化をモニタリングします。

※注意点

カベルゴリンの長期・高用量投与では、心臓弁膜症のリスクが報告されています。必要に応じて心エコー検査を行います。

妊娠中や授乳中の薬物療法については、個別に慎重な判断が必要です。

放射線療法は、下垂体機能低下症や二次腫瘍形成などの副作用のリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。

高プロラクチン血症になりやすい人・予防の方法

高プロラクチン血症になりやすい人

女性:
男性に比べて女性の方が発症率が高く、特に25〜34歳の女性でリスクが高くなります。
精神神経疾患の治療を受けている人:
抗精神病薬などを服用している場合、高プロラクチン血症のリスクが高まります。
甲状腺機能低下症の患者:
甲状腺機能低下症は高プロラクチン血症の原因となることがあります。
腎疾患の患者:
腎機能の低下により、プロラクチンの代謝が影響を受ける可能性があります。
遺伝的要因:
家族歴がある場合、リスクが高まる可能性があります。

予防の方法

完全な予防は難しいですが、以下のような点に注意することでリスクを低減できる可能性があります。

定期的な健康診断:
特に月経不順や不妊の症状がある場合は、早期に医療機関を受診しましょう。
薬剤の確認:
高プロラクチン血症を引き起こす可能性のある薬剤を使用している場合は、主治医と相談し、定期的な血中プロラクチン値のチェックを検討しましょう。
ストレス管理:
過度のストレスはプロラクチン分泌に影響を与える可能性があるため、適切なストレス管理を心がけましょう。
生活習慣の改善:
適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を維持しましょう。
甲状腺機能の管理:
甲状腺機能低下症がある場合は、適切な治療を継続し、定期的に甲状腺機能をチェックしましょう。
早期発見・早期治療:
症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。

参考文献

Melmed S, et al. Pituitary-Tumor Endocrinopathies. N Engl J Med. 2020;382(10):937-950.

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Gillam MP, et al. Advances in the treatment of prolactinomas. Endocr Rev. 2006;27(5):485-534.

Molitch ME. Pituitary disorders during pregnancy. Endocrinol Metab Clin North Am. 2006;35(1):99-116, vi.

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