次男は重度の知的障害のある自閉症 岐阜県飛騨市市長 都竹淳也さんが取り組む福祉改革とは

次男は重度の知的障害のある自閉症 岐阜県飛騨市市長 都竹淳也さんが取り組む福祉改革とは

一番弱い人のためにやることが必ず全員のためになる

飛騨市では、大人の支援にも力を入れています。地域生活安心支援センター「ふらっと」では誰もが、どんな困り事でも相談が可能。「一般的に行政の窓口は縦割りですが、貧困は、病気や家庭問題とつながっていることも多く、困り事は複合的。たらい回しにせず、まとめて相談できるところをつくりたかった」という都竹市長の思いから、全国でも類を見ない一気通貫の組織が実現しました。「弱い人のためが、結局みんなのためになるんです。福祉にお金をかけ過ぎだとやゆする人には、あなたの家族が困難に直面したとき、同じことが言えますかと返しています」。そう笑う市長のモットーは「日々是好日」。どんなことも前向きに捉えるという意志で、地方都市の困難な課題に挑戦し続けます。

●作業療法士(OT)って?
作業療法士はOT(Occupational Therapist)とも呼ばれ、言語聴覚士(ST=Speech Therapist)、理学療法士(PT=Physical Therapist)と並ぶ、リハビリテーションの3大国家資格。主に日常生活に支援を必要とする人を対象に、生活に必要な動作や精神面のケアを行う。病院や福祉施設での大人の支援が一般的だが、児童福祉施設などで、発達の遅れや、苦手がある子ども向けに、支援を行うケースも。米国では学校に常駐し、誰もが支援を受けられインクルーシブ教育(障害の有無に関係なくすべての子どもが一緒に学ぶ)を支える。

都竹市長が取り組む福祉改革

全国の自治体から視察の申し込みが引きも切らない飛騨モデルと呼ばれる改革の数々。計画に時間をかけず実行、検証、仕組み化を行う。

1 全ての小中学校に作業療法室。発達の専門家が教員をサポート

2 全国でも希少な、児童精神科を行政の直営で設立。立地にもこだわり

3 脱縦割り。市民の悩みを何でも聞く。総合支援相談窓口を設置

参照:『サンキュ!』2024年12月号「あしたを変えるひと」より。掲載している情報は2024年10月現在のものです。
取材・文/『サンキュ!』編集部

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