「鼻涙管閉塞」が起こりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「鼻涙管閉塞」が起こりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

鼻涙管閉塞の前兆や初期症状について

鼻涙管閉塞の初期症状は、涙目や起床時のめやにです。
先天性の場合は、生後1ヶ月以内で初期症状が目立つようになります。

違和感により無意識に眼をこすることで、眼瞼炎や結膜炎を合併することもあります。
涙嚢にたまった涙が細菌感染すると涙嚢炎が起こり、長引くと涙嚢周囲炎や眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)へ重症化する可能性があります。

鼻涙管閉塞の検査・診断

先天性の場合、診断は蛍光色素試験や涙管通水検査でおこなわれることが一般的ですが、必要に応じて内視鏡検査が用いられることもあります。
後天性の場合、涙管通水検査やTMH検査、内視鏡検査、画像検査で診断します。

蛍光色素試験

蛍光色素試験はフルオレセインという蛍光色素を点眼し、色素が涙点から吸収されるか確認する検査です。
点眼から15分経っても残留する場合は、鼻涙管に排出障害があると診断できます。

涙管通水検査

涙管通水検査は、局所麻酔下で涙点から針を挿入し、生理食塩水を流し入れて閉塞の有無を確認する検査です。
鼻涙管閉塞が起きていると、生理食塩水が正常に通過せず逆流します。
涙嚢炎が合併している場合は、逆流した生理食塩水に膿が混じることもあります。

TMH検査

角膜とまぶたの間にたまる涙の高さを測り、眼の表面に涙の量がどの程度あるか確かめる検査です。
鼻涙管閉塞では眼にたまる涙の高さが正常値よりも高くなります。

内視鏡検査

内視鏡検査では涙道内視鏡や鼻内視鏡で、鼻涙管内や鼻腔内の状態を確認します。
状態が詳細に把握できるため、鼻涙管が閉塞している原因がわかり、腫瘍の発見につながることもあります。
しかし、鼻涙管の外側にある腫瘍は見つけられないため、他の画像検査を併用することも多いです。

画像検査

画像検査では主にCT検査とMRI検査が用いられます。
CT検査ではX線を使用することで、鼻涙管周囲の骨構造や軟部組織の詳細な観察が可能です。
MRI検査は磁場を利用して、鼻涙管周囲の腫瘍や炎症性変化の有無について評価できます。

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