「腹膜偽粘液腫」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

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腹膜偽粘液腫の治療

腹膜偽粘液腫の治療は、疾患の進行度や患者の全身状態に応じて決定されます。基本的な治療は、腫瘍切除と腹腔内温熱化学療法の組み合わせです。

腫瘍切除では、腹腔内の腫瘍と粘液を可能な限り除去します。手術直後に行われる腹腔内温熱化学療法は、加熱した抗がん剤溶液を腹腔内に循環させ、残存する腫瘍細胞を除去します。
腹腔内温熱化学療法はがん細胞が熱に弱い性質を利用したもので、腫瘍切除との併用が効果的とされています。

手術が困難な場合や、全身状態が良くない患者に対しては、全身化学療法や対症療法が選択されることもあります。しかし、全身化学療法は投与した抗がん剤が標的部位まで到達しにくく、腫瘍を完全に取り除くことが難しいため予後不良となりやすいです。がん細胞が死滅しても粘液が残る可能性があります。

腹膜偽粘液腫になりやすい人・予防の方法

腹膜偽粘液腫の発症リスクを高める明確な因子は特定されていません。発症率は男性より女性のほうがやや高いです。

腹膜偽粘液腫の予防法は現在のところ確立されていません。しかし、腹部に違和感や持続的な症状がある場合は、早期発見・早期治療できるように、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。

腹膜偽粘液腫は早期発見が難しい疾患ですが、定期的な健康チェックによって自身の体調変化にすぐ気付くことが、重症化を防ぐために大切です。

関連する病気卵巣がん虫垂炎腸閉塞

参考文献

腹腔鏡下で再発腫瘤切除を行った腹膜偽粘液腫の1例

腹膜偽粘液腫

S状結腸癌原発の腹膜偽粘液腫の1例

腹膜偽粘液腫に対する術中腹腔内温熱化学療法の安全性と有効性に関する研究

Hyperthermic Intraperitoneal Chemotherapy in Ovarian Cancer

消化器系疾患分野|腹膜偽粘液腫(平成23年度)

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