平成の夫婦の並び方は「横一列」
2006年(平成18年)の「理想の有名人夫婦」アンケート総合第1位は「昭和カップル=三浦友和・山口百恵」であったことは既に触れましたが、同アンケートの総合第2位は唐沢寿明・山口智子夫妻でした。
このカップルは20代の結果では3位、30代では1位、40代では3位にランクイン。若手及び女性からの支持が厚いのが特徴でした。驚くことに、そこから17年たった2023年の調査でも、この夫婦は総合3位にランクイン。実は殿堂入り級の「理想の夫婦」なのです。
1995年(平成7年)に結婚した唐沢寿明・山口智子夫妻は、まさに平成を象徴するカップル。二人の関係性は夫婦対等で、どちらかが前に立つというより、フラットな横並びの姿が思い浮かびます。
さらにお二人は、結婚式も新婚旅行もなし。子どもを持たない人生を自ら選択、とその当時からするとかなり先進的なロールモデルでした。そろそろ結婚30年を迎える現在も「理想の有名人夫婦ランキング」上位に入っているのですから、時代のほうがやっとこの二人に追いついてきたのかもしれません。
令和の夫婦は「並ばない」
昭和は縦一列、平成が横一列、という夫婦の並び方は、令和に入ってどう変わったのか?
「もはや夫婦は並ばない」というのが筆者の実感です。
安住紳一郎アナのような「別居婚」、宮沢氷魚・黒島結菜さんのように「事実婚」。そのほかにもゲイやレズビアンカップルの同性婚や、女子サッカー選手だった元女子と女子が結婚したトランスジェンダー婚。さらには推しキャラと結婚する「二次元婚」まで、もはや「夫婦」という漢字が不適合に思えるほど、カップルの形は多様です。
そしてカップルを構成する二人は、どちらかに合わせて「並ぶ」のではなく、それぞれが自分らしい場所に立ち続ける。その場所は離れているかもしれないけれど、二人はちゃんと「つながっている」。これが「令和のいい夫婦」の在り方だと感じます。
各種アンケートを見る限り、まだまだ一般的には「横並びの平成スタイル」が「理想の夫婦像」の中心ですが、今後日本国内でも同性婚が認められるようになれば、「理想の有名人夫婦」のランキングに同性婚カップルのランクインも、十分あり得ます。
スイスの医師で作家のマックス・ピカートはこう言いました。
「結婚は、夫によって、または妻によって創り出されるものではなく、逆に夫と妻が結婚によって創られるのだ。」
令和に生まれる新たな結婚の形が、どんな「新たな理想の夫婦」を創り出していくのか、今後が楽しみですね。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。
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配信: サンキュ!
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