処女膜閉鎖の前兆や初期症状について
処女膜閉鎖の前兆や初期症状について 主な症状として、周期的な下腹部痛(月経モリミナ)、腰痛、排尿障害が挙げられます。特に初経年齢以降では、月経血が腟内に貯留することで、閉鎖処女膜が膨隆し青みがかった状態となります。症状は進行性であり、以下のような経過をたどることが多いとされています。
初期症状
下腹部の周期的な痛み
腟入口部の膨隆感
軽度の排尿困難
進行期の症状
強い下腹部痛
頻尿や排尿困難の悪化
便秘や排便障害
腰痛の増強
重症期の症状
急性尿閉
重度の腹痛
嘔気・嘔吐
発熱(感染合併時)
特に注意すべき点として、思春期女子の原発性無月経の原因となることが挙げられます。また、月経血の貯留量が増加するにつれて症状が進行性に悪化することが特徴です。
処女膜閉鎖の検査・診断
診断には以下の検査が有用です。
問診と視診
初経の有無や周期的な腹痛の有無、排尿障害の有無などを詳細に確認します。外陰部の視診では、処女膜の膨隆や青みがかった色調変化が特徴的な所見となります。
血液生化学検査
白血球数増多や血清LDH値の上昇を認めることがありますが、特異的ではありません。重症例では貧血を認めることもあります。また、腫瘍マーカーであるCA125、CA19-9が高値を示すことがあり、卵巣腫瘍との鑑別が必要となる場合があります。
画像検査
超音波検査
腹部超音波検査では、膀胱背側に単房性囊胞として腟留血腫を認めます。子宮留血腫に至ると、囊胞性の腟留血腫の頭側に連続した拡張子宮腔を認めます。腫瘤内腔は通常均一な低エコー域として認められ、時に血清成分と血漿成分の分離による鏡面形成を認めることがあります。
MRI検査
貯留内容物の性状を反映し、時期により特徴的な所見を示します
急性期:T1強調画像、T2強調画像ともに低~中信号域
亜急性期:T2強調画像で高信号域内に低信号が混在
慢性期:両画像で高信号域
CT検査
内部低吸収域で均一な腫瘤として描出されます。また、尿路系の評価も可能です。
配信: Medical DOC