●NG例1…道路の右側を走る
自転車は道路(車道)の中央から左の部分を通行するのがルール(道路交通法第17条:3カ月以下の懲役又は5万円以下の罰金)。左側通行なのを知りつつも、目的のお店が右側にある場合や、横断歩道が少ない道などでは、悪いとわかっていても右側通行してしまうこともあるのでは? しかし、右側通行は事故を招きやすくなるという
「右側通行は交差点付近でドライバーの死角になりやすいのです。また車と自転車の距離感がつかみにくく、ドライバーが追い越しの際にヒヤリとすることが多くあります。接触事故やドライバーの運転ミスを誘発してしまうリスクが高まるため、事故にあわないためにも左側通行を心がけましょう」(遠藤さん 以下同)
●NG例2…歩道を走る
現在自転車は、歩道ではなく車道を走ることを義務づけられている。
「原則的に、歩道内での自転車通行ができるのは、13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、体の不自由な人のみです。ただし『普通自転車歩道通行可』(上の画像)の標識があるときや、車が駐車していたり、工事中で車道が通行できなかったりという例外の場合のみ、一般の人も通行できます」
やむを得ず自転車が歩道を通行する場合は、車道寄りの部分を徐行しなければならない。歩行者とすれ違う際や、自転車の前を歩いていて通行を妨げるような場合は、一時停止するのがルールだ(道路交通法第63条の4:2万円以下の罰金又は科料)。
「歩道のなかを通行しても構いませんが、歩行者優先なので、自転車に乗っているときは速度と走り方に注意してください」
たまに歩道にも関わらずベルを鳴らしながら歩行者を追い越していく自転車をみかけるが、これはNG。歩道は、歩行者が最優先ということを忘れずに。

●NG例3…交差点で一時停止しない
交差点に入るときは、信号機がある場合には信号機に従い、信号機がない場合には、交差点の優先順位に従うのがルール。たとえば、交差する道路の道幅が明らかに異なる場合は、道幅が明らかに広い方が優先になる。また、交差点手前に一時停止の道路標識がある場合には、一時停止をしなければならない。
「さらに、優先道路ではない方から交差点に進入する場合には、基本的には徐行をしなければいけません。見通しがきかない交差点も同様です。つまり、ほとんどの信号のない住宅地内の交差点では、徐行進入をする必要があるのですが、実際に守っている方はほとんどいません。しかし、立派な法令違反なので注意が必要です」(道路交通法第34条の3、36条の3、42条の1、43条、63条の7)
自転車は軽車両にあたり、このルールは自動車交通のルールと同じだ。
●NG例4…大きな荷物をハンドルにかけて走行する
自転車で食材を買い出しに行くママも多いだろう。スーパーのレジ袋や大きな荷物をハンドルの左右にかけたり、自転車のチャイルドシートの後ろにひっかけたりして自転車を走らせるのはルール違反となる。
「地方自治体の細則によりますが、東京都の場合は『積載装置から前後に30cmを越えてはみ出さないこと』と定められています。つまり、自転車から左右に15cmを越えて荷物がはみ出してはいけません。そのため、買い物袋をハンドルに下げた時点でほぼ違反になります」
そもそも、ハンドルに荷物を下げていると、ふらつきの原因にもなって危ないのでやめよう。
知らなかった人も、知っていたけどやってしまっていた人も、思わぬ事故につながるリスクがあることを改めて意識しよう。
(取材・文:北東由宇 編集:ノオト)
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