●出会い頭の事故に注意!
「小学生に限らず、自転車の交通事故の多くは交差点での出会い頭に起きています。本来は信号のない交差点や住宅地のT字路では、一時停止や徐行を守り、安全を確認してから進行しなくてはなりませんが、それをおこたって飛び出すことが出会い頭の事故につながります」(遠藤さん 以下同)
「速度をゆるめているから大丈夫」と考える人が多いが、横断や右左折をしようとする際に、ドライバーの死角に入ってしまっては意味がない。さらに右側通行をしていると、ドライバーの死界に入る確率がさらに高まり、事故の危険性もアップする。
「最近では、自転車に乗るときにヘルメットをかぶる小学生も増えてきたものの、中学年や高学年になると面倒になってかぶらなくなる子も多いようです。しかし、交通事故で死亡した人の7割は頭部損傷で亡くなっており、頭をきちんと保護していれば事故にあっても死亡率を下げられるともいえます」
小学校高学年にもなると「ヘルメットなんてかっこ悪い」といい出す子どもも多いだろうが、安全には代えられない。子どもにはヘルメットの重要性を教えてあげよう。

●気付かずひき逃げ? 電動アシスト自転車に潜む危険
電動アシスト自転車を愛用しているママは多いだろう。電動アシスト自転車は速度を上げやすいこと、坂道や重量への負荷を感じにくいことがメリットである反面、何かにぶつかったりしても、乗っている人が気づかないことも多いようだ 。
「私の知人に、信号待ちをしていたら、子どもを乗せた電動アシスト自転車のチャイルドシートにぶつかられてケガをした人がいました。でも、自転車はぶつかったことに気づかずにそのまま走り去ってしまって…。これは“ひき逃げ事故”と一緒です」
また、短時間だからといって子どもを乗せたままその場を離れ、子どもごと自転車が倒れてしまう事故もあとを絶たない。電動アシスト自転車は車両のつくりがしっかりしており、転倒しにくくスタンドも丈夫になっている。とはいえ、子どもが動いてバランスを崩し、自転車が倒れてしまうことがよくある。子どもをチャイルドシートに乗せたまま放置するのはやめよう。
「このように、警察に届け出が出されておらず、警察庁のデータには記録されない潜在的な事故は増加していると推測されます。自転車を乗るときは周囲に気を配りましょう」
気づかないうちに事故の加害者になっている可能性もある。自転車は使い方によっては凶器になり得ることを知って、今日から安全な運転を心がけよう。
(取材・文:北東由宇 編集:ノオト)
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