●とにかく授業を良く聞くことが大切!
実際問題として、試験のどれくらい前から勉強を始めるのが望ましいのだろう。
「基本的には、部活動が停止になる、1~2週間前くらいからと考えてよいでしょう。ただし、勉強で大切なのは時間ではありません。やった内容を理解しているかどうかです。焦ってはいけません。ですから、試験前だからといってがむしゃらに勉強するのではなく、普段から1日30分で良いので、地道に勉強することをおすすめします。これさえしっかりとできれば、きっと良い結果につながるはずです」(藤島氏 以下同)
それでは、ママが気になる中学生、高校生の中間・期末考査について、子どもが点数を取れるようになる具体的なアドバイスはあるのだろうか。
「もちろん“これさえやっておけば大丈夫!”といった秘技はありませんが、中間・期末のいわゆる定期考査は出題範囲が決まっていますよね。もしも教科書やノートの持ち込みが可であれば、かなりの得点が取れるという話もよく聞きます。そこで、とにかく“授業をよく聞くこと”から始めましょう。眠ったりボーッとしたりせずに授業をよく聞き、真面目に板書をしてさえいれば、ある程度の点数が取れるはずです。ただし思春期は、この行動を取ることすら難しいことを親御さんは知っておきましょう」
毎日コツコツと、様々な科目をまんべんなく勉強しておくことが大切だと語る藤島氏。
「これからの時代は、今までになかった職業が現れ、代わりに既存の職業が人工知能=AIに取ってかわられると言われています。中学3年間で苦手科目を作ってしまうと、高校に入ればすぐに理系・文系のクラス分けが待っています。この時に、自分の希望する将来の夢や職業で授業科目を選択できればいいのですが、苦手科目を持ったままでいると、その時の成績だけで選択の幅が狭まってしまうのが現状です。そうしたことのないように、まんべんなく学ぶことが大切です。また、親御さんは英語や数学だけに目が向きがちですが、国語や理科、社会にも関心を持たせてあげる大人の努力も必要でしょう」

●“To Do”ではなく“やったことリスト”を作り自信につなげる
それでは、子どもが試験前に勉強したくなる親の声かけはあるのだろうか。
「試験前などに子どものやる気を促したいのであれば、子どもが自発的に“勉強したくなるような工夫”をすることを考えてみてください。例えば“To Doリスト”を作ってがんばらせようとしても、実際にはやり切れないことが多く出てくるはずです。そうなると、子どもはやり切れなかったことへの罪悪感を持ち“自分は勉強ができないんだ”と自信を失くしてしまいます。よって“To Doリスト”ではなく、“やったことをリストにしてみる?”と子どもに提案してみましょう。そのリストにはその日に勉強したことを記録していきます。できれば、その勉強によってプラスになったことも書き足しておくとさらにいいですね」
子どもも達成感が得られ、その達成感が自信となり、新たなやる気につながっていくという“やったことリスト”。試験前だからと言って、ガミガミヒステリーに怒鳴り散らすのはNG。ママはちょっとだけ頭を使って、子どものやる気を促す努力をしてみよう。
(取材・文/蓮池由美子)
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