生理の悩み、卵子凍結、更年期… SNSの間違った情報を鵜呑みにしないで。女性の体と向き合う医師として、今伝えたいこと【産婦人科医・宋美玄】

生理の悩み、卵子凍結、更年期… SNSの間違った情報を鵜呑みにしないで。女性の体と向き合う医師として、今伝えたいこと【産婦人科医・宋美玄】

東京の「丸の内の森レディースクリニック」の院長で、女性のヘルスケアについて発信している宋美玄先生。産婦人科医として多忙な日々を過ごしていますが、先生自身も2児の母親でもあります。医師として母として活躍する宋先生に、自身の子育ての悩みから、現代の女性のヘルスケアの課題について聞きました。「多くの女性に正しい知識をもって、正確な情報をつかんでほしい」と先生は話します。

産婦人科医になったのは、外科医の父の影響が大きい

――宋先生は数々のメディアでも、情報発信をしています。産婦人科医をめざしたきっかけについて教えてください。

宋先生(以下敬称略) 父が外科医だったことが大きいと思います。子どものころ、父から手術の話をよく聞いていたので自然と手術にあこがれをもつようになりました。しかし、進学した大学の外科には女医がほとんどいない状態で、外科医を志すことが難しい雰囲気でした。
一方で、産婦人科には多くの女医がいたこと、「おめでとう」という言葉があふれている科ということに魅力を感じるようになりました。女性であることがプラスになる科ということ、場合によっては手術を執刀することもあることから、産婦人科医を志すようになりました。

――先生が医師になった当時と今とでは、医療の世界でも働きやすさに差がありましたか?

宋 今は多くの女医が外科でも活躍していますが、昔は女医が手術を執刀するとなると「あなたが私のおなかを切るんですか?」と患者さんに躊躇(ちゅうちょ)されたなんて話はよく聞きました。でも産婦人科の場合は、昔も女医を指名する方もいたので働きやすい環境ではありました。

――そこから産婦人科の世界で医師としてさまざまな活動をされているわけですね。

宋 今はだいぶ変わったと思いますが、私が通っていた大学のしくみは研修医の最初の1年は婦人科全般を学び、そこから病院に派遣されました。行った先の病院が周産期をメインにした病院だったので、周産期を学んでいました。

「スマホ依存が怖い!」子どものスマホ問題に直面中

――宋先生自身の子育てについても教えてください。お子さんは現在、何歳ですか? 子育てにおいての悩みはありますか?

宋 子どもは2人で、中学1年生の女の子と小学3年生の男の子です。現在の子育ての悩みと言えば、娘のスマホ問題ですね。よくないよな…って思いながらも、連絡手段としては便利な部分もあるので完全に取り上げるわけにもいかないです。でもやっぱり依存も怖いな…と今はもっぱらスマホとのつき合い方に悩んでいます。

――たしかに依存は怖いです。

宋 中学生になって向上心をもった活動をしてもらいたいなって思っていますが、そもそも思春期なので口うるさく言ってもきかないだろうなって躊躇する部分もあります。でもスマホが近くにないと不安そうな姿を見ると心配になります。

――下の息子さんについてはどうでしょうか?

宋 息子に関しては、友だちともめることもありますが、まだまだ子どもなので、すなおでかわいいです。スマホでYouTubeやゲームがしたいとは言ってきますが、自分の携帯を持っていないので、時間を決めて貸してあげたりしています。お姉ちゃんが中学生になって自分のスマホを買ってもらっている姿を見ているので、自分も中学生になったら買ってもらえると思っているかもしれません。

――日々の仕事が忙しい中、子育てにも向き合っている状態ですね。

宋 子どもはどんどん成長し、自立していくでしょうが、いまは私も子育ての理想と現実のはざまにいるような感覚です。ほかのお母さんたちと同じではないでしょうか。

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