ふと気づくと子どもの口が開いている、鼻で息ができるのになぜか口で呼吸をしている……。このお口がポカンと開いている状態、実は自然に治すのは困難なのです! 放っておくとさまざまな影響が出るため、気づいたときに適切に対処してあげることが必要。口が開いてしまう理由から予防方法まで、歯科医の浜野先生にお聞きしました。
教えてくれた人
浜野美幸先生
千葉歯科医院
院長・歯科医師
東京歯科大学卒業後、大学院で小児歯科学を専攻し、歯学・小児歯科学の博士号を取得。矯正治療や口腔外科をはじめ、歯科全般を経験。公益社団法人日本歯科専門医機構認定小児歯科専門医指導医であり、同学会常務理事を務め、子どもの歯の健康に尽力。著書に「診療室で今日からできる!子どもの口腔機能を育てる本」(医歯薬出版)がある。
CONTENTS
子どもの3人に1人がお口ポカン 自然に治らない厄介な症状
鼻で呼吸ができるのに口が開く その原因は?
放っておくと大変! お口ポカンが 子どもの健康に大きな与える!?
お口ポカンを予防するには ていねいな生活を心がけることが大切
子どもの3人に1人がお口ポカン
自然に治らない厄介な症状
日常的に口がポカンと開いている……。実はこの状態、口唇閉鎖不全と呼ばれ、口腔機能発達不全症のひとつ。何らかの理由で口が開いてしまい、それが習慣化してしまった状態で、2021年の 疫学調査によると、3~12歳の子どものうち、3人に1人の割合で発症していると報告されています。口を閉じることなんて簡単。そう思われがちですが、一度習慣化すると自然に治すのは困難だと言われています。
鼻で呼吸ができるのに口が開く
その原因は?
原因はさまざまですが、口呼吸もそのひとつ。風邪や花粉症で鼻が詰まって口で呼吸をするようになり、そのまま口呼吸が習慣化してしまったり、コロナ禍のマスク生活で、息苦しさからマスクの中で口が開き、その状態が定着してしまったり……。ほかには猫背などの姿勢の悪さも関係していると言われています。口が開くと必然的に舌が下がりますよね。舌が下がると喉のところの空気の通り道が狭くなって息がしづらくなり、息をしやすくするために、首を前に出して顎を上げる。姿勢が悪くなり舌が下がる……。この悪循環に陥ると、閉じた状態をキープするのが難しくなってしまうのです。
配信: HugMug