●浮気相手に送るLINEがAさんの元に…
Aさんは大手生命保険会社で正社員として勤務。事務職で17時退社の規則正しい毎日だが、小学6年生の長男と小学1年生の長女を抱え、育児と家事に追われる毎日だ。笑顔がチャーミングで、どこか女優の櫻井淳子を思わせる。
「長男を生んだ後は、とにかくかわいくてかわいくて…。なれない育児は、雑誌を見ながら奮闘する日々でしたが、男の子でしたし、しゃべるようになるとよりかわいさが増して、もう夫どころではありませんでしたね(笑)。肌ももちろん、夫とは比べるまでもなくツルツルのすべすべ。息子を抱っこしているだけで幸せでしたし、スキンシップは十分満ち足りていました」(Aさん 以下同)
長男を生んでから夜の生活も一変。夫から求められてもその気になれず、断固拒否していたという。
「息子に兄妹を作ってあげたいという気持ちはあったので、育児が少し落ち着いてからは再び子作りを再開しました。待望の長女が誕生してからというもの、息子と長女の育児に追われ、さらに仕事もしていたので、平日は疲労困ぱいでしたね。家事もままならず、今振り返ると、夫の世話もいったいどうしていたのか…まるで思い出せないほどです。Yシャツのアイロンがけの余裕もなかったので、夫は毎週クリーニング屋さんに行っていました。自分のお小遣いで賄っていたように思います」
土日も子どもたち中心の生活。そうはいっても夫婦仲が悪いわけではなく、家族は幸せだったという。
「夫もいいパパでしたし、夜の関係は破たんしていましたが、それなりに夫婦仲はうまくいっていました。ただ当時の自分を振り返ると、まるで女王様のように振る舞っていましたね。夫はほぼ奴隷扱い(笑)。“あれもこれもやっておいて。土日はここにいくから予定は入れないで”と…。夫からしたら“こいつはいったい何様なんだ!”という気持ちだったでしょうね」
そんななか、ある日夫から不信なLINEが届いたという。
「“昨日は楽しかったね! また連絡して”と書かれたLINEが私の所に届いたんです。一瞬でピンときた私は、すぐさまLINEで“誰にLINEしているの?”と送り返しました。するとあわてて夫から電話がきて、“会社の付き合いでキャバクラに行って、その子に送ろうと思った。それまでのことだからやましいことは何もない”と言い訳をしたんです。なんだか裏切られたような気がして、猛烈に腹が立ちました。正直、夫に対してこんなに嫉妬する自分にも驚きました。たった一言のLINEでしたが、まだこんなに愛していたんだ…と気づかされたんです」

その晩もちろん問い詰めたが、夫はキャバクラ嬢が相手で「裏切るようなことは何一つしていない」と浮気を完全否定。LINEもすべて削除したあとで、それ以上問い詰めようがなかったという。
「頭にきましたが、今まで朝帰りするようなこともなかったので、今回は信じてみることにしました。それに、夫をないがろにしていた自分にも気づかされたんです。夫が他の女性とLINEするなんて、やはり自分にも原因があったのかもしれないと…。いい機会だったので、“私も悪かった。もう一度夫婦として、男と女としてやり直そう”と話し合いました。夫は、“俺もずっとこのまま夜の生活がないままでいいのか…悩んでいた”と正直に話してくれました」
この日、すぐに思い立ったAさんは、数年ぶりに夫と手をつないで寝てみたそう。夫の方から恋人つなぎし直してくれたのも嬉しかったと笑顔で語る。それからは徐々にスキンシップを取り戻し、今は新婚の時のようにラブラブな状態だという。
●夫婦関係にプライドや羞恥心はいらない!
この実録について、三松氏からアドバイスをもらった。
「セックスレスになって、5年10年が経過してしまうと、お互い“今さら感”や“こっ恥ずかしい”という気持ちが出てきて諦めてしまうご夫婦が多いんですね。特に妻は“今さら誘っても、自分には魅力がないからダメだろうな…”というネガティブな感情が芽生えがち。リベンジする力が衰えてしまうのです。私の持論は“思い立ったら吉日!”。ネガティブな感情でブロックせず、まずはスキンシップから、性生活を復活してみましょう。“思い立ったらすぐさま夫を触る!”それくらいオープンにしていく癖をつけないと、夫婦関係は一向に改善されません。Aさんは、危機を迎えてすぐさま自分を反省し、行動に移したからいい結果が出たのだと思います。夫婦の夜の生活に、プライドや羞恥心は不必要です。“このままいくとやばいな…”と思ったら、夫と真面目に話し合うなど、行動に移しましょう」
「あきらめず、自分に自信を持ち、プライドを気にするくらいなら夫を惹きつけるような自分磨きをするべき」とアドバイスをおくる三松氏。
お互いが愛しているにも関わらず、触れ合えないまま夫婦関係が悪化していくのだとしたら…家族にとってこれほどの悲劇はない。もしも夫との関係 で悩んでいるなら、Aさんのような危機が訪れる前に、一度夫婦で話し合ってみてはいかがだろうか。
(取材・文/吉富慶子)
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