●衣替えのデメリットを解消しよう
草間さんによると、プラスチック製のケースに入れるなどの従来の衣替えには、次のようなデメリットが挙げられるという。
■衣替えのデメリット
・服を出した際、防虫剤のニオイが気になる
・衣類が虫食いしてしまう
・衣類がしわになるのでクリーニングが必要
・衣類を重ねることで色移りしてしまうことがある
・通気性が悪くカビが発生する可能性がある
・しまいこんでいる衣類を把握しきれない
「年2回なんとなくやっていた衣替えの習慣を変えていくと、衣類の管理が驚くほど楽になります。そのためには衣類をいちいち入れ替えるのではなく、極力ハンガーでつるす収納をおすすめします」(草間さん 以下同)
つるす収納はとても簡単。クローゼットに衣類をかけていくだけ。スペースがない家庭も、薄型ハンガーに変えるだけで、収納力は格段にアップする。

●つるす収納のメリットとは
「衣替えのたびに『あれ? こんな服があったっけ』と驚くことはありませんか? 普段から服をつるしておくことで、ワードローブがひと目で把握しやすくなります。すると、記憶から消えたまま、ケースで場所を取り続ける服を減らすことができますよ」
また、服をたたんでケースにしまうと、せっかくクリーニングに出しても衣替えのときにしわだらけになりやすい。さらに、再度クリーニングに出す手間とコストがかかることも。
「衣類をいつも目につくようにすることで、いるものといらないものを選別する力が養えます。それが不要なものを手放す習慣につながっていくため、1年を通して部屋がスッキリするようになります」
また、ハンガーを使った収納は、洗濯してそのままクローゼットにかけられるので、家事の時短にもつながり、通気性も確保できる。虫食いが気になる人は、ハンガーに掛けるタイプの防虫剤を一緒に入れておけば安心だ。
●すべての衣類を吊るすスペースがない場合は…
とはいっても、住宅のスペースの問題で、すべての衣類をつるすのは難しい家庭も多い。
「たとえば秋の衣替えなら、薄手のノースリーブなど、真夏に着る衣類だけをケースにしまうようにします。衣替えをなくすくらいのつもりで『1枚でも多くクローゼットにつるす』意識を持って整理してみてください」
また、トップスならトップスとカテゴリーごとに分けてケースに入れるのも重要だ。「どこに何があるか」を把握することで、いざというときに時間をロスしたり、余分な衣類をストックし続けたりすることが避けられるようになる。
●ケースに収納するときの注意点
もしケースに衣類を収納する場合は、どんなことに気を付けたらいいのだろう。
「衣類の多い方は、薄い衣類を下に、厚みのあるものは上に収納することです。厚みのあるものを上に入れると衣類の重みで沈んで圧縮され、収納できるスペースが増えるので、ケースの数が少なくてすみます。また防虫剤を使うときは衣類の下ではなく、上に置かないと効果が半減するので注意しましょう」
また、クリーニングに出した衣類はビニールを取って収納すること。ビニールがかかったままだと静電気でホコリを引き寄せやすく、特に白い衣類などは汚れの原因にもなる。ただし不織布ならばその心配はない。
なんとなく義務感で進めていた衣替え。収納方法を考えて、気持ちよく季節の変わり目を迎えよう。
(取材・文:北東由宇 編集:ノオト)
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