夫に家事の効率化・機械化を受け入れさせるコツはあるの?

第3回 夫が家事の効率化を嫌がるのはなぜ?
専業主婦でも共働きでも、「家事の負担をいまより楽にしたい!」と常日頃から考えている妻は少なくない。だが、家事を分担するパートナーであるはずの夫が効率化に乗り気でないケースもある。

“新・三種の神器”と呼ばれる全自動洗濯乾燥機やロボット掃除機、食器洗い機を導入して、生活にゆとりを生み出したい。そのためには夫をどう説得すればいい? 夫婦関係に詳しい男性カウンセラーの下木修一郎さんに、家事の機械化を進めていく際に効果のある夫への説得方法について聞いた。

●新婚のうちに“神器”をデフォルト装備に

「皿洗い、掃除、洗濯という365日避けて通れない家事の負担を減らすことは、夫婦の仲を救うことにもつながります。性能面において使えるレベルであると判断できたのなら、“新・三種の神器”はなるべく早い段階で導入したほうがいいと私は考えています」(下木さん 以下同)

ベストな導入タイミングは新婚のとき。ふたりの生活が始まってすぐに“デフォルト装備”にしてしまえば、その後の生活ではそれが基準となる。

「専業主婦だと自分がお金を出さない分、導入に抵抗感を抱いてしまう人もいるでしょう。それならば結婚してすぐか前のように、自分が働いているうちに購入してしまいましょう。子どもができる前のほうが金銭的に余裕があるでしょうし、その後も“神器あり”が家庭内の基準となります」

では、結婚して数年が経ってしまった場合は、具体的にどのようにして夫を説得すればいいだろう?

「まずは購入したい家電について、夫にどう考えているかを聞いてみることです。彼が家電に興味がないのなら、『電機屋さんに一緒に行こう!』と誘って、食器洗い機の前で目をキラキラさせてみてください。あなたの嬉しそうな顔を見て、購入を検討する方向に引き寄せられるかもしれません」

ただし、これは「妻の喜ぶ顔が見たい」と夫が思えるほどに、夫婦仲がうまくいっている場合。「お前ばかり楽しようとしやがって!」と考えるような夫、不仲な夫婦には残念ながら通じない手だ。その場合は、まず夫婦関係の見直しが急務といえるだろう。

夫に家事の効率化・機械化を受け入れさせるコツはあるの?

●「ふたりのメリットになる」ことを伝える

また、気をつけたいのが「この家電が必要だ。欲しい」という主張に、夫への日頃の不満を上乗せしてしまう伝え方。

「『共働きなのに家事は私ばかり。食器洗い機があったほうが効率的でしょ!』という主張は、相手を否定していることと同じであるため、いくら内容が正しくても『受け入れたくない』と思わせてしまいます。自分のためだけでなく、ふたりの生活のためにいいことがあると伝えたほうが効果的です」

たとえば、「家電を導入することで時間にゆとりができたら、空いた時間で一緒に家飲みしたいな~」とふたりの時間が増えることの嬉しさをにじませながら、要望を伝えてみるのもいいだろう。

「夫婦仲が悪くなっていくのにはさまざまな要因がありますが、いずれにも関わっているのが夫と妻、双方の時間的な余裕のなさ。どれだけお互い好き同士でも、時間に追われて余裕のない生活が続くと、些細なことで衝突することは避けられません。これはすべての夫婦に平等に起きます」

離婚原因としてたびたび挙がる「価値観の相違」。これは日々の些細なことの積み重ねが、どうしようもないほど膨れ上がってしまった結果なのだろう。「円満な結婚生活を維持していきたい」と願うなら、夫婦関係を見直しつつ、便利な家電の導入に踏み切ってみるのもひとつの有効手段といえそうだ。
(取材・文:阿部花恵 編集:ノオト)

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下木修一郎
下木修一郎
夫の気持ちを知る男性夫婦カウンセラー。1000人を超える夫との関係に苦しむ妻たちの悩みを聞き解決へと導く。女性必見の『動画でわかる夫のホンネ』も公開中。
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